手厚いサービスが売りの「代理店型自動車保険」。明確に代理店型の魅力を理解し選んでいる人はいいですが、車を買ったタイミングでなんとなく代理店型を選んでいる人、または通販型のサービスが心配で消去法で選んでいる人も多いと思います。しかしながら国内シェアの約9割を占める代理店型自動車保険ですから、選ばれ続ける魅力がきっとあるはずです。
また代理店にもプロ代理店・ディーラー・自動車整備工場など様々あり、それぞれにどのような違いがあるのかわからない方も多いと思います。
今回は代理店型自動車保険の魅力をプロ目線で語っていただくため、高知県の「都築保険事務所」の社長、都築弘典さんにインタビューを行いました。プロが語る「代理店型自動車保険」の魅力とは。この記事を読んでポジティブに代理店型自動車保険を選ぶきっかけをつかんでいただきたいと思います。
交通事故専門の弁護士に30回以上の取材を行い、交通事故の賠償問題に精通。賠償金増額の仕組み、また後遺障害等級認定の裏事情を深く知る。弁護士しか知りえない交通事故事情の情報を発信します。
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目次
代理店型自動車保険は事故発生時の対応に「安心」がある
fummy:今回はよろしくお願いします。早速ですが、代理店型自動車保険はどんな人に選ばれていると感じていますか?
都築さん:「事故対応」について気にしている人ですね。もし事故を起こしてしまった際、我々はお客様と保険会社の間に入って手続きや話し合いを代行します。実はこの手続き、かなり大変なものです。日中はひっきりなしに電話がかかってきますし、過失割合についての話も進めなければなりません。こうしたことをすべて丸投げできるのは、代理店型自動車保険の強みです。通販型はお客さま自身が直接オペレーターと話をつけなければならないので、かなり大変だと聞きます。
fummy:過失割合についても話を進めなければならないんですね。
都築さん:そうなんです。おそらく一般の方にとってわかりづらいことのひとつが、この「過失割合」だと思います。過失割合は過去の判例によって決められることが一般的ですが、どういう事故状況だと何割悪くなるという知識を持っている方はほとんどいません。一方で我々のようなプロ代理店のスタッフなら『判例タイムズ』(過失割合の判例が載っている本)をよく読み込んでいるので、事故状況からある程度の過失割合がわかります。ということは、保険会社が言ってきた過失割合が妥当かどうかも判断できるということです。
fummy:なるほど。過失割合について失敗するリスクが少なくなるということですか。
都築さん:そうですね。逆に適切な過失割合に落とし込むために、どういう伝え方をしないといけないかという「コツ」のようなものも持っています。事故状況の伝え方を間違えると、お客様が不利になってしまうことも否定できません。そうしたことを防げるのもメリットだと思います。
fummy:こちらの情報を正しく伝えることは意外と重要なんですね。
都築さん:はい。我々が間に入れば「プロ同士の話し合い」になるからうまくこちらの主張を伝えられる。そういうことですね。意外と「落とし穴」があるというのが事故手続きですから。
同じ代理店でも保険知識やサービスの質に大きな差
fummy:代理店といってもディーラーや自動車整備工場まで様々な代理店があると思いますが、都築さんのような「保険代理店」で入るメリットは何だと捉えていますか?
都築さん:これもよく言われていることなんですが、結局は「餅は餅屋」というか。ディーラーのように兼業でやられている方だと本業のほうが忙しく、なかなか保険のことまで手が回らないケースもあると聞きます。事故処理は保険会社に丸投げしてしまって、それだと通販型と変わらないということになってしまう。一方我々のようなプロ代理店であれば保険が本業になるわけですから、事故の示談処理までしっかりと行います。正しい保険知識に関するアドバイスや、しっかりとした事故対応サービスを受けたい方は、我々のようなプロ代理店を選んだほうがいいでしょうね。
fummy:それならディーラーで加入するメリットは薄いということですか?
都築さん:そういうわけではありません。ディーラーは車を買って、保険をつけて、車検をして、とワンストップで車の手続きができるということが強みです。サービスの質よりも手間を省いたり利便性を追求する方なんかはディーラーで加入する方が多い印象です。だいたい半々ぐらいですかね、プロ代理店とディーラーで加入する人の割合は。
fummy:なるほど。自分が何を重視するかによって使い分けたほうがよさそうですね。
ここ数年で節約より「万全の補償」を希望する人が増加
fummy:補償プランの設計、特約の内容、節約テクニックなど様々なアドバイスを求められると思うが、実際にはどんな要望を受けることが多いか?
都築さん:ここ数年で自動車保険の流れも変わってきていると感じます。2年ぐらい前までは保険料率が上がってきていた時代なので「保険料を安くしたいんだけど、どうすれば?」という質問が多かったのですが、今は様々なメディアで交通事故のニュースが報道されるようになって「こういう事故に備えたいんだけど、どの保険をつければいい?」という手厚い補償プランを希望する人が増えてきました。
fummy:最近は高齢者の事故報道なども多いですからね。
都築さん:それも影響があると思います。もしも事故を起こした時、または巻き込まれた時にきちんとした補償が受けられるか、そのような関心が高まってきているのかと思います。
家族の付帯状況や生命保険等も合わせた「包括的な診断」に強み
fummy:ちなみに節約したいという要望にはどのような対応をすることになるのですか?
都築さん:基本的には補償の見直しですね。ムダな補償や特約がついていないか。例えば、家族で複数台の車を持っているとして、自分以外は電車で通勤しているとしたら「代車特約」をつける必要はないですよね。また人身傷害保険は「生命保険」や他の傷害保険でカバーできる部分があります。プロ代理店の強みは、家族状況や自動車保険以外の保険加入状況も含め包括的に診断できることです。我々も生命保険や傷害保険を取り扱っていますから、どのような部分に被りが生じるか見るべきポイントがわかる。保険のプロとしてより突っ込んだアドバイスができると思っています。
改定が進む自動車保険、毎年の見直しはやはり重要
fummy:毎年更新のハガキは届きますが、見直しをサボっている人も多いですよね。
都築さん:非常に多いです。しかし我々代理店の責任もあると思います。代理店は更新時のハガキに載せる「おすすめプラン」を、一人一人に合わせて毎年作成するのですが、中には前年通りの案内ばかりを送る代理店もいると聞きます。特に兼業代理店の場合は本業のほうで手一杯で保険のことまで手が回らないケースもあるのではないでしょうか。ただし、兼業代理店の中にもしっかりと保険業務を行なっているところはたくさんありますし、プロ代理店でも毎年デフォルトの案内しか送らないところもあります。結局は保険募集人の資質の問題で、本当に信頼できる代理店を見つけることが大切だと思います。
あとは新しく出た特約などを把握してない方もいます。時期によっては1年に2回保険商品が改定されることもあります。だから意外と保険の最新事情を追いかけることは労力がかかるんです。しかもそういうのってお客様が先に気づいちゃうんですよね。周りの人に「保険変わったよ」と噂で聞いて、代理店に確かめたら確かに変わっていた。そういう不備があるとやはり乗り換えられることにもつながってしまいますので、代理店としては常に最新の保険事情を把握してないといけないと思います。当たり前なんですが…笑。
私は、お客さんは新しい情報を求めていると感じています。売り手側の勝手な固定概念で保険料が上がるようなものを勧めていいのかと思っている方も結構いますが、新しい特約が出た時に説明をすると「そういう情報を知りたかったんです!」という反応をする方が結構多い。自分に必要なものだったら多少値段が上がってもみなさんつけるんですね。年間何千円の保険料をケチるより、いざ事故が起きた時に何十万・何百万の出費があるリスクを排除しておくという考え方が主流になってきている気がします。というより二極化ですね。手厚い補償を求める方と、とにかく安い補償でいいという方。
割安で人気の通販型自動車保険、実はシェア数は頭打ち?
fummy:今お客さんの二極化の話が出ましたが、節約志向の人はやはり通販型に乗り換えることが多いですか?
都築さん:多いですね。しかしシェア自体はここ2年ぐらいで頭打ちになった印象を受けます。それまでは伸びているという実感がありましたが、最近は頭打ちですね。確か統計データで出ていて、10%前後でストップしている。ただ、こうなることは業界内では以前から予想されていたことです。理由はアメリカの市場を見ればわかります。実は日本の保険というのはアメリカより20年遅いと言われていて、アメリカで20年前起きたことが似たような感じで起きることが多いんです。アメリカでも通販型自動車保険が出た頃はシェアを伸ばしていましたが、10%前後ぐらいで止まっている。もしかしたら日本でもこのままのシェアで推移するかもしれませんね。
あとは代理店の数も減っていくと言われています。日本は代理店の数が異常に多い国。人口1億2000万人に対し20万店の代理店がある。しかしアメリカは3億人に対し、代理店の数は日本の1/3程度。優良な代理店に契約が集中する形になっているんです。だから、もしかしたら日本でも代理店の淘汰が始まるかもしれないですね。
通販型自動車保険に乗り換えても、事故を起こすと代理店に戻ってくる
fummy:通販型自動車保険、代理店の目から見るとどんなデメリットがあると思いますか?
都築さん:私のお客さんでも通販型に乗り換えた人が結構いましたが、事故を起こした人はほぼ100%戻ってきています(笑)。「またつけていいですか」と電話がかかってきて、どうされたんですかと事情を聞くと、「事故が起きた時あんなに手続きが面倒だったと思わなかった」と言うんです。結局コールセンターから電話がかかってきて、全部自分が応対しないといけない、説明も全部自分がしなければいけない、過失割合の基本的な割合なんてわからないのに、全部自分が話をしていかなければならない、仕事をしていても日中電話がかかってくるので。とにかく大変だったと。「代理店があれだけなんでもやってくれているとは思わなかった」とよく言われます。通販型は割安と言われるが、その分自分でやらなければいけない負担は大きい。一方代理店型自動車保険は確かに高いけど、手続き等をすべて丸投げできるというのはお客様にとっても大きなメリットかと感じています。
加害者になるだけでなく、被害者になるリスクも含んでいる
fummy:本日はありがとうございました。最後、自動車保険のプロとしてみなさんに伝えたいことはありますか?
お客さんには普段からよく言っていることですが、事故は加害者になることがあれば被害者になることもある。自分はどんなに運転を注意していても貰い事故は発生します。100対0ならいいですが、こちらも動いている限りは過失が発生することが多いです。やっぱり自動車保険の保険内容はちゃんと理解した上でつけたほうがいい。そうでないと、いざもらい事故を受けた場合「ここまでしか保険は出ません」となってしまい、そんなはずじゃなかったとなると思う。しかも運転に自信のある方ほどその傾向が強いんです。「自分は運転に自信があるから」と言ってもどんなに運転がうまくても事故をもらう時はもらうので、やっぱり自動車を運転する限り補償を理解して運転したほうがいいと思います。
fummy:本日はありがとうございました。
都築さん:ありがとうございました。
最後に
プロ代理店経営者として、代理店型自動車保険の良さを語っていただきました。ネットの情報には通販型自動車保険の事故対応は代理店型と変わらないとよく書かれていますが、手続きの手間までは触れられていないことが多いです。実際には事故時の手続きはとても大変で、そうした手間をすべて丸投げできることは代理店型の魅力だと改めて感じました。さらにプロ代理店だけあって、自動車保険の知識もとても充実していました。事故の際に不安を感じたくない人、またしっかりした知識のもとサービスを受けたい方はプロ代理店を選択肢に入れてもいいのではないでしょうか。
【事務所情報】
- 事務所名:都築保険事務所
- URL:http://www.tsuzuki-ins.net/
- 住所:〒780-0901 高知県高知市上町3-7-30
- TEL:088-873-3883
- FAX:088-873-3890
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