自動車保険の節約テクニック

自動車保険は「等級入れ替え」できる?保険料はどれだけ安くなるのか?

車は増えれば増えるほど維持費がかかります。中でも自動車保険は所有台数だけ加入しなければならないため、負担に感じている方も多いのではないでしょうか。

複数台車を所有していると、自動車保険に加入している年数や、事故の有無によってそれぞれの等級がバラバラになっていると思いますが、実はこの等級は入れ替えることができます。さらに、場合によっては等級を入れ替えることで保険料を抑えることも可能です。

今回は保険等級の入れ替える方法、そして保険等級を入れ替えた場合どのくらい保険料を抑えられるのかをみていきましょう。

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自動車保険は「等級の入れ替え」ができる

冒頭で話した通り、自動車保険は「等級の入れ替え」を行うことができます。そして、等級入れ替えを行うことで保険料を抑えられるケースもあります。

例えば、親子で自動車保険に加入した場合、

父の車 息子の車
20等級 7等級

とするよりも、

父の車 息子の車
7等級 20等級

このように等級を入れ替えたほうが保険料は安くなるのが一般的です。

緊急時サポ子
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お父様のほうは年齢条件によって保険料が安くなりますから、6等級に下がっても家族トータルで見れば保険料は安くなるんですよ。

「等級入れ替え」で保険料はどれだけお得になるのか?

では、等級入れ替えによって保険料はどれだけ安くなるのか。パターン別の具体例に沿って見ていきましょう。

ケース1:新しく車を買い替えた場合

・ミラ(12等級)とプリウス(20等級)を所有している家庭
・子供が大きくなったのでミラをエルグランドに買い替え
・エルグランドは新車購入なので車両保険をつけたい
このような状況のケースを考えてみます。

【見積もり条件】
①所有車両
エルグランド(12等級)・プリウス(20等級)
②被保険者情報
旦那さん(年齢:28歳 / 免許の色:ブルー)
奥さん(年齢:26歳 / 免許の色:ブルー)

エルグランド
(12等級・車両保険付き)
プリウス
(20等級・車両保険無し)
合計保険料
131,200円 25,900円 157,100円
エルグランド
(20等級・車両保険付き)
プリウス
(12等級・車両保険無し)
合計保険料
92,720円 37,120円 129,840円

このように、等級の入れ替えを行うだけで年間27,260円もお得になる計算となります。

車を買い換える場合は等級入れ替えを行うチャンスです。入れ替えたほうがお得になるかどうかは必ずチェックするようにしましょう。

ケース2:同居の子供が新しく車を購入する場合

Aさんの子供がこの度免許を取得し新しく車(アルト)を買うことになりました。

【見積もり条件】
①所有車両
エルグランド(20等級) / プリウス(12等級) / アルト(7S等級)
②被保険者情報
Aさん(年齢:38歳・免許の色:ゴールド)
奥さん(年齢:36歳・免許の色:ゴールド)
子供(年齢20歳・免許の色:グリーン)

今回のケースでは2パターン入れ替え方法がありますが、プリウスとアルトの等級入れ替えを行う場合が最も保険料を節約できますので、その見積もりみてみましょう。

エルグランド
(20等級・車両保険付き)
プリウス
(12等級、車両保険無し)
アルト
(7S等級、車両保険無し)
合計保険料
80,310円 31,290円 165,840円 277,440円
エルグランド
(20等級・車両保険付き)
プリウス
(7S等級・車両保険無し)
アルト
(12等級・車両保険無し)
合計保険料
80,310円 42,110円 73,400円 195,820円

このように、等級を入れ替えによって年間81,620円もの保険料節約となる結果になりました。

子供が車を新しく買うタイミングも等級入れ替えが行われる一般的なパターンです。どれだけ保険料が抑えられるかは必ずチェックするようにしましょう。

ケース3:等級の高い車を譲渡・売却・廃車にする場合

Aさんの家庭では子供が就職のため遠方に引っ越すことになりました。それに伴い車が1台不要になったため、大きい車ももう必要ないですしエルグランド(20等級)を売却することにしました。

【見積もり条件】
①所有車両
プリウス(7s等級) / アルト(12等級)
②被保険者情報
Aさん(年齢:45歳・免許の色:ゴールド)
奥さん(年齢:43歳・免許の色:ゴールド)

まずはエルグランドの自動車保険をそのまま解約した場合の見積もりです。

プリウス
(7S等級・車両保険無し)
アルト
(12等級・車両保険無し)
合計保険料
42,110円 24,030円 66,140円

この場合も等級の入れ替えが可能です。エルグランドは20等級だったのでこの等級をどちらかの車に入れ替えて、吐き出された7S等級を中断しておくのが1番賢い方法でしょう。

プリウス
(20等級・車両保険無し)
アルト
(12等級・車両保険無し)
合計保険料
21,810円 24,030円 45,840円

このケースでも年間20,300円の節約になるため、等級の入れ替えは確実に行っておいた方が良いでしょう。

等級入れ替えができるタイミングは決まっている

等級入れ替えによって保険料節約になることは上で説明した通りですが、等級の入れ替えはいつでも好き勝手にできるわけではなく、入れ替えができるタイミングが決まっています。あまり頻繁にある機会ではないので、この等級の入れ替えができるタイミングをしっかりと把握して、機会が来た時には忘れずに等級の入れ替えを行うようにしましょう。

車を新しく購入(増車)した時

新しく車を購入、いわゆる増車をした時には等級の入れ替えができるようになります。前述の具体例でいうと「ケース2」のパターンですね。新しく購入する車は基本的には新規6等級での加入になりますが、購入する方がお子様など年齢条件での割引がない方などの場合は等級を入れ替えると合計保険料がお得になります。

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セカンドカー割引も活用しよう

増車の場合、セカンドカー割引が適用になるかどうかの確認も忘れずにしましょう。本人もしくは同居の親族が加入している自動車保険で1つでも11等級以上のものがあれば新しく加入する自動車保険に適用できる割引です。本人もしくは同居の親族が加入している自動車保険の会社は問われません。通常新規加入は6等級からになりますが、セカンドカー割引を適用すれば7S等級から加入することができ、7等級扱いになります。割引率も段違いなので自動車保険に新規で加入する場合はご家族の自動車保険加入状況をしっかりと確認しましょう。

車を買い替えた時

車を買い替えた時、複数台車を所有していれば等級の入れ替えが可能になります。前述の具体例でいうと「ケース1」がこれにあたります。新しく購入する車に車両保険を付けたりして合計保険料が高くなるようであれば、持っている等級の中で1番高い等級をあてがうことで全体の保険料を安く抑えることが可能です。

持っている車を譲渡・売却・廃車にした時

このケースは保険会社によりますが、持っている車を譲渡・売却・廃車にした時、いわゆる減車時にも等級の入れ替えを行えます。減車する車の等級が高い場合などは、他に持っている車の中で1番低い等級を吐き出して中断することで、合計保険料の節約が可能になります。

異なる保険会社間でも等級入れ替えはできる?

異なる保険会社間でも等級の入れ替えは行えます。例えば新しく車(A車)を購入する場合、現在所有しているB車にa社20等級の自動車保険が付いているとすると、新しく購入するA車にa社20等級の保険を付けて、保険がかかってない状態になったB車にb社で新規7S等級(セカンドカー割引適用)の保険加入をするといった手順を踏むことで等級の入れ替えができるようになります。

車を買い替えた場合なども同じ手順を踏むことで異なる保険会社間での等級の入れ替えが可能です。

自動車保険の等級を入れ替える手順

ここまで等級の入れ替えができるかどうかと、その際どれくらい保険料を抑えられるのかを解説してきました。次にここでは実際に等級を入れ替えるのにどのような手続きが必要なのかを具体的に解説していきます。

車両に関する情報がわかる書類を準備する

増車の場合でも、買い替えの場合でも、新しく購入する車両の情報がわかる書類(車検証など)を手元に用意します。

減車の場合、この手順は不要です。

保険会社へ等級を入れ替えたい旨を連絡する

保険会社へ車を購入(増車or買い替え)することを伝え、合わせて等級の入れ替えを行いたい旨も伝えましょう。減車の場合はどの車を減車するのかを伝えた上で、等級の入れ替えを行いたい旨を伝えましょう。その際、どのように入れ替えたら1番保険料が安くなるか相談してみても良いでしょう。

新しい車が納車される日に合わせて補償開始

新しい車が納車される日、もしくは減車される日に合わせて入れ替えられた等級で補償が開始されます。保険料も入れ替えを行った日から計算してお安くなっています。

等級入れ替えの注意点

保険料がお得になるため絶対に行った方が良い等級の入れ替えですが、行う際には注意した方が良い点がいくつかあります。

等級の入れ替えができるタイミングは限られている

前述したように等級の入れ替えができるタイミングは増車や買い替え時か減車時とごく僅かなタイミングでしかできません。買い替えや増車、減車は頻繁にするものではないので、このタイミングを逃さないようにしましょう。

もし増車や買い替えで新しい車が納車される日もしくは減車した日より後に入れ替えの依頼をしても、その時点では入れ替えができなくなっているので注意してください。入れ替えの依頼は必ず車の増減車がある日付よりも前に行ってください。

入れ替えの仕方にも注意が必要

2台所有までは良いですが3台以上所有となると入れ替えの組み合わせが増えてきます。3台所有の場合は6通り、4台所有の場合は24通りもの組み合わせがある計算になります。そんな中から1番お得な等級の組み合わせを算出するのは至難の業です。

3台以上で等級の入れ替えを行う場合は自分だけで判断して行わずにプロである代理店の担当者や保険会社と相談した方が良いでしょう。

必ず保険契約者本人が連絡しなければならない

等級の入れ替えは保険契約に関わることなので、必ず本人が連絡しなければなりません。車の買い替えに伴う車両入れ替えなどは販売店やディーラーが代理で行ってくれることもありますが、等級の入れ替えは代理ではできません。必ず本人が連絡するようにしましょう。

まとめ

今回は等級の入れ替えに関する様々なことを解説していきました。等級の入れ替えは行うだけで保険料をかなり節約することができます。親切な代理店であれば購入時などに案内があるかもしれませんが、ネット型自動車保険などの場合は案内等もないため、知らなければ高い保険料を払うことにもなりかねません。

自動車保険の保険料で損をしないように、等級を入れ替えて保険料が安くなる場合は、入れ替えができるタイミングで必ず入れ替えを行うようにしましょう。

ABOUT ME
天王寺トモ
現在中古車販売店の営業として勤務する傍らでフリーライターとしても3年間活動しています。損害保険募集人の資格も持ち、自動車保険の販売も並行して行っています。中古車を販売しながら、それに付随した自動車保険の提案を行っておりますので、より現場に近い立場から自動車保険のことについて解説ができます。またフリーライターとしての経験を活かし文章で皆様にわかりやすく自動車保険のことについてお伝えしていきたいと思っております。

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