車を修理に出すと、手元に車がないため困るという方は多いと思います。通勤や送迎で使っている人、業務で使っているなどは特にその傾向が強いでしょう。
そんな時にオススメなのが「代車特約(レンタカー特約)」です。修理時のレンタカー費用を補償してくれるため、安心して代車を借りることができます。
しかし「修理時にはディーラーから車を借りられるのでは?」と思われる方も多いでしょう。実は、ディーラーにある代車の数は限りがあるため、必ず貸してもらえるとは限らないのが現実です。また、大家族の方は大きな車を持っているかもしれませんが、車の車種を指定できないのもネックとなります。
やはりそうした場合には代車特約があったほうがいいのでしょうか?
ここでは、代車特約の必要性について考えてみたいと思います。
20年以上保険業界に携わってきたFP(ファイナンシャルプランナー)。独自の視点で自動車保険を分析して補償内容を語る一方、事故時の対応や保険の使い方まで広く解説できる長年の経験が持ち味。持論は「事故は損害賠償の問題、保険だけじゃ解決できない」です。
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目次
通勤や通学・送迎が毎日欠かせない場合に代車特約は必要か?
「代車特約」は保険会社によって「レンタカー費用特約」など呼び名が異ってますが同じ役割のものですので、ここでは代車特約として呼ばせていただきます。
事故に遭い、車を修理に出すと修理期間中は乗れない事になります。代車特約は事故の際の修理期間中に設定した補償日額を限度に代車代が支払われる特約です。
車がなくなると生活できなくなる人は代車特約の必要性は十分にある
では、この代車特約ですが、どんな方に必要なのでしょうか?
まず、通勤や送迎、または業務などで車がないと生活ができない人については代車特約をつける価値は十分あると考えられます。こうした方は事故や故障の時にどのように代車を手配するか。自前でどこかから手配できる人(例えば家族の車を使うなど)は代車の必要性は薄いと思いますが、あてがない方はレンタカー会社やカーシェアを申し込んで代車とするしかありません。
つまり、
- 通勤などで毎日車を使っており突然車がなくなると生活できなくなる人
- 車が故障した際に家族の車に乗るなどのあてがない人
こうした状況にある方は代車特約は強い味方となるので、加入を検討する価値は十分にあります。
車がなくても困らない人は必要性は薄い
逆に代車特約をつける必要性が薄いのは、
- もし車が無くなっても家族の車などで代用でいる人
- 乗っている車がなくなってもさほど生活に影響がない人
以上の方は代車特約をつける必要性は薄いでしょう。
事故の際のレンタカー代などの費用をカバーするのが代車特約の役割
すでにご存知かもしれませんが、一応代車特約の内容について説明させてください。
代車特約が使える場面というのは「車両保険のお支払いの対象となる事故により、ご契約のお車が使用できなく場合」と決まっています。多くの通販型保険もこの通りの内容です。
つまり、代車特約を付帯するには車両保険の付帯も必須ということと、車両保険を使わない場合は代車特約だけを使うことはできないということです。
代車特約の補償内容は大手社のほうが充実
あと、代車特約の内容は大手社のほうが充実してたりします。
例えば、事故・故障によりご契約のお車が走行不能となり修理工場等へレッカー搬送された場合です。
若干の差はありますが大手社は走行不能でレッカー移動した場合は事故でも故障でも代車代が支払われます。事故の場合はもちろん自力走行でもOKです。故障でも自力走行不可なら代車代が出ると言うのはダイレクト系には無い強みで、伊達に高い保険料ではないと言えます(注:自力走行可能な故障は対象外です)。
また、大手社はロードサービスの特約に代車費用を組み込んでますので一定割合の代車費用は基本契約で支払われます。大手社の代車特約は上限額や上限日数を引き上げるために存在しています。
車両保険はいらないけど代車代は欲しい、という方は大手社が選択肢になるかもしれません。
一般的なレンタカー費用はどれぐらいかかるのか?
あと、代車特約が必要かどうかを判断するためには、実際にレンタカーを借りた場合にどれぐらいの費用がかかるのかを知りたい方もいらっしゃるでしょう。
そこで、実際にトヨタレンタリースの乗車料金をピックアップしてみました(※一般的な乗用車のデータを取っています)。
通常料金
最初の1日 | 2日目から | |
---|---|---|
P0クラス | 7,020円 | 5,940円 |
P1クラス | 7,020円 | 5,940円 |
P2クラス | 8,100円 | 6,480円 |
P3クラス | 9,720円 | 8,100円 |
P4クラス | 15,120円 | 11,880円 |
P5クラス | 29,160円 | 21,600円 |
※参考:トヨタレンタリース
ハイシーズン料金
最初の1日 | 2日目から | |
---|---|---|
P0クラス | 7,722円 | 6,534円 |
P1クラス | 7,722円 | 6,534円 |
P2クラス | 8,910円 | 7,128円 |
P3クラス | 10,692円 | 8,910円 |
P4クラス | 16,632円 | 13,068円 |
P5クラス | 32,076円 | 23,760円 |
※参考:トヨタレンタリース
例えば、15日間レンタルしたとすると、一番低いクラスでも約10万円ほどの費用がかかってしまうことがわかります。
代車代金は過失割合に応じて支払われる
完全な自爆事故は全額自己負担というのはなんとなく分かるかと思いますが、相手が絡む事故の場合はどうでしょうか。
これは基本的には過失割合に応じて支払われるのが一般的です。過失割合とは、自分と相手にどれぐらいの割合で責任があるのかという割合のことです。
具体的には以下のようになります。
過失割合 | 相手の負担金額 | 自分の負担金額 |
---|---|---|
相手過失100:自分過失0 | 全額負担 | 負担なし |
相手過失 80:自分過失20 | 80%負担 | 20%負担 |
相手過失 50:自分過失50 | 半分負担 | 半分負担 |
「相手100:自分0でないと代車は出せない」というトラブルに注意!
ここで少しトラブルと言いましょうか、時折耳にするのが「100:0の事故じゃないと代車は出せません」ということを事故相手の保険会社から言われるということです。
これは正確に記載すると、100:0の場合は保険会社がレンタカー会社に発注するので問題がないのですが、例えば過失80%の状態でレンタカー会社に80%だけ払うから20%は相手からもらってくれ、という賃借契約が出来ない事に起因します。
このように過失がある場合は、代車は自分で手配して過失分を相手に請求するといいです。
ここで代車特約があれば自分の保険会社に代車を手配してもらって過失分は保険会社同士でやり取りしてもらうのも手です。代車の手配や費用面でのトラブル防止にも代車特約は一役買うということがわかりますね。
代車を無料で提供してもらえば代車特約不要?
車検で代車提供無料!という広告を目にする事がありますが、事故の際の修理も実は修理先の修理工場が無償で提供してくれる事があります。
「代車をサービスで出すから修理をうちに出してください」という営業戦略の一環です。このような代車無料サービスの修理工場を使えば代車特約の必要性は小さくなるかもしれません。
工場代車の注意点
修理工場の無償サービスの代車を「工場代車」と呼びますが少し注意点があります。
- 車種は選べない事が多い(福祉車両はまずありません)
- あまり質が良くない
- 繁忙期に代車が出払って待たされることがある
- 大破して廃車した場合は修理が発生しないので提供不可
あくまでサービスの一環なので軽自動車や小型車の中古車を工場代車としているケースも多いですが、新車を工場代車として質を意識している修理工場もありますのであくまで修理工場次第です。「それでも無料だし、修理期間中だけだし」という事で目を瞑る方はこの方法でも良いと思います。
次の問題としては、どこの修理工場が工場代車を出してくれるの?というのが出てくると思います。どこに頼めば代車が無料なのか。一例としては修理工場の全国ネットワークを利用するやり方があります。
全国統一サービスを謳い、基本的に代車無料を掲げています。故障の場合の修理で代車無料は謳っていないので、故障の場合は加盟工場と直接依頼する形になるかと思います。
自分にとって代車特約が必要か考える
代車は無料で借りれる方法もある一方で、やはり自分の都合良い時期に修理に出したい、福祉車両など用途が決まっている場合などは代車特約の必要性が高まると思われます。等級が進めば割引も増えるので念のために付けておくか、という考え方も悪くないです。最終的には保険料との兼ね合い(費用対効果)で考えるものですので、一括見積サービスを利用して保険料をチェックするが肝心です。
まとめ
- 代車の必要性は各自の状況による
- 通勤・通学、送迎に車が欠かせない人は要検討
- 無料で代車を提供してくれる修理工場もある
- 費用対効果次第なので一括見積サービスで保険料をチェック
生活に車が欠かせない人は多いと思いますが、そんな人ほど車が無くなった場合に備えることは大事です。家族などで代用できる方はいいですが、もしなにもあてがない場合は代車特約に加入するメリットは十分にあると考えられます。もちろん、費用との兼ね合いもあるので、必ず入らなければいけないわけではないですが、もしものことを考えて加入しておくのは十分にアリな選択肢でしょう。まずは、車がなくなるとどれぐらいのリスクがあるか考えた上で、必要だと判断できれば早めに加入しておくことをオススメします。
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