自動車保険の基礎知識

自動車保険の保険料を左右する「車両料率クラス」とは?

自動車保険の保険料は運転する「人」と「車」がどれだけ事故を起こしやすいかで決まります。「人」については年齢や運転頻度、住んでいる地域などで判断されますが、車の指標となるのが「車両料率クラス」です。車ごとに性能や安全装備、また修理にかかる金額もそれぞれ異なりますから、そうした点が考慮され車両料率クラスは決められます。

では、実際に車両料率クラスはどのような仕組みになっているのか。ここでは「車両料率クラス」の基本事項について詳しくお伝えします。

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車の保険料に大きく関わる車両料率クラスとは?

車の保険料に大きく関わる車両料率クラスですが、基本事項として以下2点をおさえておきましょう。

  • 車両料率クラスは「型式」ごとに設定される
  • 1〜9でクラス分けされ、数字が高くなるほど保険料も高くなる

型式ごとに設定される

車の車検証を見るとDAA-ZVW30(トヨタ・プリウスの場合)といったアルファベットが記載されています。これが「型式」と呼ばれるものです。車種の違いはもちろん、グレードや装備などによっても型式は区別されます。

装備や性能が違えば当然事故リスクも異なってきますから、車両料率クラスはこの「型式」ごとに設定されています。例えば同じ車種でも自動安全ブレーキがついている型式は車両料率クラスが低くなるといった具合です。

緊急時サポ子
緊急時サポ子
車両料率クラスは型式ごとに設定されることから「型式別料率クラス」と呼ばれることもあります。

4つの保険種別ごとに1~9のクラスに分けられる

車両料率クラスは4つの保険種別ごとに設定され、1〜9の数字で区分されます。1が最も保険料の安いクラスとなり、9が最も高いクラスです(※2020年1月1日以降に保険期間が始まる自動車保険については1~17とクラス分けが細分化される予定です)。

4つの保険種別ごとのクラスは以下を基準に考慮されます。

対人賠償保険(事故を起こした相手への補償) 事故を起こした相手(歩行者など)に対する安全性(歩行者保護ボンネットなどの装備)
対物賠償保険(事故を起こした物への補償) 事故を起こしたモノに対する安全性
傷害保険(自分や同乗者への補償) 自分の車に乗っている人の安全性(エアバッグ装備など)
車両保険(自分の車の補償) 車両本体価格、盗難やいたずらの被害に遭いやすいなど

高級車やスポーツカーは車両料率クラスが高い

車両料率クラスが高い車として代表的なのは、高級車やスポーツカーです。コンパクトカーであれば自宅周りを低速度で走行することが多いため、対人・対物・傷害ともにクラスが低く抑えられていますが、高級車やスポーツカーなどは高速道路での高速走行や、峠道などでのスポーツ走行を想定していることもあり、対人対物共にクラスが高めになる傾向にあります。傷害は安全装備などがしっかりしているので標準クラスですが、車両保険については修理費が高いこと、盗難やいたずらに遇う可能性が低いことからかなり高いです。

車両料率クラスの一例
コンパクトカー 高級車・スポーツカーなど
料率クラスは全体的に低めに収まる 対人・対物・車両保険は高めになる
対人 対物 傷害 車両 対人 対物 傷害 車両
3 3 4 3 6 5 4 9

車両料率クラスは損害保険料算出機構が決めている

車両料率クラスは各損害保険会社が独自に設定しているわけではありません。国内のほぼ全ての損害保険会社が加盟する「損害保険料率算出機構」が自動車ごとの特性(形状・構造・装備・性能)やユーザー層などを元にリスク度合いを計算し、算出しています。各損害保険会社はこのデータを元に車両料率クラスを決定し、金融庁に提出。認可が下りて採用となります。

安保険太
安保険太
車種によってユーザー層も変化するから「事故を起こしやすい車種」というのも統計上にはあるということだね。

料率クラスは1年に1回変更される

料率クラスは一旦決められたものがずっと適用されるわけではなく、毎年見直されることになっています。当然ながら、その年によって事故発生件数や保険金の支払い実績は変化します。高速道路の最高速度の引き上げ・高齢者の事故の多発などなど、社会環境の変化により「その自動車が持つリスク」は常に変化します。そこで最新の事故発生状況などを反映して「毎年」車両料率クラスの見直しを行い、適正化を図っているというわけです。

具体的には、このようにクラスが変更されます。

車のリスク状況とクラスが一致している場合 変更無し
現在のクラスよりも実際のリスク状況が低い場合 クラス-2または-1
現在のクラスよりも実際のリスク状況が高い場合 クラス+2または+1

クラスを決定したときから状況に変化がなければクラスも変更無し。その車による事故や盗難が減少すればクラスが2つまたは1つ下がる(=保険料が安くなる)。逆にその車による事故や盗難が増えたというデータがあればクラスが2つまたは1つ上がる(=保険料が高くなる)といった具合です。

車両料率クラスによって自動車保険料はどれくらい変わる?

車両料率クラスが1つ上がると、保険料率はおよそ1.2倍となります。一番低いクラス1と一番高いクラス9ではおよそ4.3倍もの差にもなります。

料率の見直しで保険料が上がってしまうことも

自動車保険の保険料には「ノンフリート等級」という割引制度があります。自動車保険の記名被保険者(主に運転する人)の事故経歴などを元に等級を1~20までに分け、最高の20等級になると保険料が60%以上割り引かれるというものです。等級は新規で保険を契約すると6等級から始まります。その後無事故で1年を経過すれば次年度は7等級、もう1年無事故で過ごせば8等級と上がっていきます。逆に事故を起こして保険を使用すると次年度は一気に3等級(もしくは1等級)ダウンしてしまうという仕組みになっています。ただこの等級制度は20等級を超えるとそれ以上上がありません。つまりそれ以上の割引が受けられなくなるわけです。その状況で自分は事故を起こしていなくても、「自分と同じ車に乗っている人の事故」が増えれば車両料率クラスは上がってしまいます。自分が事故を起こしたわけでもないのに保険料が上がってしまうのは理不尽な感じもしますが、保険の契約者全体で保険料負担の公平性を確保するためなので仕方ありません。

車両保険の料率クラスが「9」だと車両保険がつけられない?

事故で自分の車が壊れ、修理しなければならないときに利用するのが車両保険です。しかしこの車両保険の料率クラスが最高の9の場合、保険会社によっては車両保険の契約を断られてしまう場合があります。

車両保険の料率クラスが9となる車はいわゆる「高級車」、例えばヨーロッパの高級自動車メーカーの車などがそれに当たります。それらは車両本体価格は1,000万円を優に超え、数千万円のものも珍しくありません。また製造年度のかなり古い車、いわゆるクラッシックカーも料率クラスが9になる可能性の高い車です。

車両料率クラスが9の車に共通するのは「修理するのに高額の費用がかかる」「希少性が高いため盗難やいたずらに遭いやすい」という点です。保険会社としては車両保険の契約を受けてしまえば、事故や盗難の際保険料を支払わなくてはなりません。しかしその金額は一般的なコンパクトカーの5倍から10倍にも及び、しかも盗難やいたずらにあう可能性が飛躍的に高いわけですから、保険会社が敬遠するのも無理はありません。このような理由で車両料率クラスが9の車は車両保険を断られてしまうことがあるのです。

ダイレクト系への加入は特に厳しいのが現状

自動車保険には契約者と損保会社の間に代理店が介在する「代理店系」と、契約者が保険会社と直接契約する「ダイレクト系」があります。ダイレクト系の特徴は「リスク細分型保険」の採用による「安い保険料」です。リスク細分型保険とは、年間の走行距離や車の使用目的、記名被保険者(主に運転をする人)の年齢といった「事故のリスクとなる原因」を細かく分け、そのリスク度合いによって保険料を割り引くというもの。ダイレクト系の自動車保険がリスク細分型を採用するのは、できるだけリスクの低い契約者を集め、その分安い保険料を実現するためです。

ではそこにリスクが最高度に高い車両料率クラス9の車が車両保険を申込んできたらどうでしょう。ダイレクト系自動車保険のビジネスモデルが崩れ、格安の保険料というメリットを提供できなくなってしまいます。このような理由から、ダイレクト系自動車保険では車両料率クラス9の車が車両保険を断られてしまうことが多いという現状があります。一方代理店系の自動車保険では元々保険料が高めなこともあり、車両保険の契約を断られることはあまりありません。車両料率クラス9の車の購入を考えている方には代理店系の自動車保険をおすすめします。

軽自動車にも車両料率クラスが導入される!

軽自動車にはこれまで車両料率クラスというものがありませんでした。軽自動車は税金などで普通乗用車に比べ大きく優遇されているため、エンジンの排気量やボディサイズなどが画一的に規定されています。

具体的には、以下の通りに制限されています。

  • 排気量660cc以下
  • 全長3400mm以下
  • 全幅1480mm以下
  • 全高2000mm以下

このように規格が画一化されているため車ごとの性能差が生じにくく、結果として事故発生率などにも差があまりないため車両料率クラスが設定されていませんでした。つまり「軽自動車」というひとくくりにされたクラスだったのです。

しかし近年軽自動車の中でも普通乗用車並に安全装備を備えたものから、価格を重視して装備を抑えたものまで「差」が生じ始めました。そこで2020年1月1日から軽自動車にも3つに分かれた車両料率クラスが導入されることとなったのです。

これにより、以下のようにクラス分けがされます。1年に一度クラスの見直しが行われるのは普通乗用車と同様です。

クラス1 クラス2より約1.1倍分保険料が安くなる
クラス2 これまでの保険料と同じ
クラス3 クラス2より約1.2倍保険料が高くなる

車両料率クラスを調べるには損害保険料算出機構の検索システムを利用する

車両料率クラスは、損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス検索」で調べることができます。

メーカーや車名で検索することもできますし、車検証などで型式が分かっていれば、型式で直接検索することも可能です。また自動車保険の保険証書にも対人・対物・傷害・車両の各料率クラスが記載されているので、そちらで確認しても良いでしょう。

料率クラスを調べる

人気車種の車両料率クラス一覧

主な国産車、輸入車の車両料率クラスを一覧にしてみました。参考にしてみてください。

(※同じ車種でもグレードによって車両料率クラスは異なります)

型式 対人 対物 傷害 車両
プリウス ZVW50 4 5 5 4
C-HR NGX50 4 4 5 4
アクア NHP10H 4 4 4 4
ヴォクシー ZRR85G 4 3 4 4
アルファード AGH35W 4 5 5 4
クラウン GWS224 6 5 4 5
ノート HE12 4 5 4 6
セレナ GC27 4 3 4 4
フィット GD4 3 5 2 4
アクセラ BL5FP 4 5 4 4
スイフト ZC13S 4 3 4 4
インプレッサ GDB 5 5 5 8
アウトランダー CW6W 5 5 4 4
メルセデスCクラス 205040C 3 3 4 7
BMW3シリーズ 5F20 4 4 4 7
アウディA4 8WCVN 4 5 4 7
フォルクスワーゲンゴルフ AUCJZ 2 3 4 5
ボルボXC40 XB420XC 4 4 4 7
プジョー308 T9HN05 4 4 4 6

まとめ

まとめ
  • 車両料率クラスは型式ごとに設定され、1~9の数字で設定される。1は保険料が最も安くなり、9が最も高い
  • 車両料率クラスが高い車の代表例は高級車やスポーツカー。性能は高いが事故リスクが高いことや修理費が高いこと、またいたずらや盗難に遇う可能性が高いため料率クラスも高くなる。
  • 車両料率クラスは1年に1度見直される。毎年発生した事故状況に応じて変更されるので合理的な制度と考えられる。
  • 車両料率クラスが9の車は車両保険がつけられれない場合がある。特にダイレクト型自動車保険では顕著にその傾向が見られる。
  • これまで軽自動車には車両料率クラスが設定されていなかったが、2020年からは導入される見通し。

2020年からは普通乗用車の車両料率クラスがそれまでの9クラスから17クラスに細分化され、軽自動車にも3つのクラスが新設されます。今まで一つのクラスに収まっていた車種・グレードが細分化されることにより、これまで以上に差があらわれやすくなるはずです。ぜひ今回の記事を参考にして、車選び、自動車保険選びをしてみてください。

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