自動車保険の特約について

なぜディーラーは車両新価特約を勧めてくるのか?現役営業マンが語る必要性とは

新車購入と同時にディーラーで自動車保険に加入する場合、担当者に「車両新価特約」を勧められることが度々ありますが、なぜこの特約を勧めてくるのでしょうか。必要性がある特約ならつけたいものですが、ムダな特約ならつけたくないと考える方がほとんどなはずです。

今回は車両新価特約の必要性とともに、なぜ営業マンが勧めてくるのか、現場の裏側に基づいて説明いたします。

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車両新価特約とは

車両新価特約とは、車両保険を付けた際に追加で加入できるオプションです。新しく購入した新車が全損、また車両時価額の50%以上の損害を受けたときに、新車価格相当額を補償します。全損とは以下のような場合です。

  • 修理が不可能な状態の場合
  • 修理金額が車両時価額を超える場合

骨格などが激しく損傷した場合や、冠水の場合などは修理不可と判断されます。また、修理金額を車両の時価額を超えるような場合も全損判断が下されます。

緊急時サポ子
緊急時サポ子
車両の時価額とは、車両のいま現在の車両価格のことをさします。

例えば300万円の新車を購入した場合、車両の時価額は以下のように1年ごとに下がっていきます(一般的に1年で20%ずつ減価償却します)。

年数 車両保険金額
1年目 300万円
2年目 240万円
3年目 190万円

※全損・分損の違いについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

自動車保険の車両保険での全損と分損の違いは?補償額に違いはある?車両保険の「全損」と「分損」の違い、支払われる金額はどうなるかご紹介します。修理不可または車両保険を上回る場合が全損、車両保険金額内で収まる場合分損です。全損事故の種類、支払われる保険金、車両保険の接敵金額、全損事故に備える特約、もめる場合などがわかります。...

特約の費用はどれぐらいか?

費用は固定ではなく、車種等の条件によって変動します。今回は以下の条件を例に料金を試算してみました。

条件

見積もり損保:損保ジャパン日本興亜
車種情報:CX-5(マツダ)/ 等級:20等級
運転者情報:免許:ゴールド免許 / 年齢:44歳
車両保険:一般型

年数 車両保険金額
1年目 1,290円
2年目 2,890円
3年目 4,080円

保険料は少しずつ高くなりますが、仮に5年目まで付帯しても10,000円以内の保険料になります。

加入できるのは新車購入から11ヶ月〜60ヶ月以内の車

加入できる期間は損保間で違いがありますが、基本的には新車購入から11か月~60か月以内の車が加入することができます。

ディーラーが車両新価特約を進める理由

ディーラーがこの特約を勧めてくる理由は以下3つが考えられます。

  • 事故や災害時に役に立つから
  • 次の代替のチャンスもつかめるから
  • 顧客をロイヤルカスタマーにすることができるから

事故や災害時に役に立つから

車両新価特約が役立つのは事故や災害で車が大きな損害を受けたときです。

仮に200万円で新車を購入した場合、1年目は200万円の車両保険を設定できますが、2年目以降は保険金額が減価償却され下がります。

年数 車両保険金額
1年目 200万円
2年目 160万円
3年目 130万円

3年目の全損事故では130万円しか補償されないため、同じ車を購入するなら70万円は自己負担になります。しかし車両新価特約に加入していれば、200万円の保険金で次も同じ車(同じでなくても良いです)を自己負担なしに購入可能です。実際に新車から数年で全損事故を起こされる方もいるため、そのような事態を見越してディーラーは車両新価特約を勧めています。

次の代替のチャンスもつかめるから

全損事故で車が買い替えなければならない場合、代車やレッカー手配、保険利用の担当窓口となったディーラーで次の車を購入するケースは非常に多いです。ディーラー側からすれば、車両新価特約を勧め、実際にお客様が車両新価特約を使用すれば、次の車の代替のチャンスも獲得することができます。

顧客をロイヤルカスタマーにすることができるから

事故対応から次の車の手配まで丁寧に対応することができれば、顧客はディーラーを信頼する傾向が強いです。一度信頼関係を築けば、長期間の関係が見込める上、知人等に紹介してもらうチャンスも増えます(このような顧客をロイヤルカスタマーと呼びます)。事故や災害での損害は顧客にとって大きな不安となりますから、それに対しどれだけ丁寧な対応ができるか、ディーラーにとってはチャンスの場面です。万全の事故対応をするための一つとして、車両新価特約をお勧めするケースも多いです。

営業マンが語る車両新価特約の必要性とは

ほぼすべてのディーラーがこの特約を勧めてきますが、基本的には必要性の高い特約と認識していただいて構いません。

事故後に車の買替資金がない人には特に必要

車両新価特約は、金銭的に余裕のない人にお勧めです。特に車の支払いをクレジット支払いにしている方は車両新価特約を付帯することを強くお勧めします。車両新価特約は、車が大きな損傷などで基本的に修理不能になった時に使用します。車両新価特約に加入していれば、車が大きな損傷を追っても、同等の車を新しく購入することができます。仮に加入していなければ、車両保険使用時の時価額までしか保険金が支払われません。金銭的に余裕があれば、その差額を自己負担し同等の車を購入できますが、金銭に余裕がなければ、同等の車は購入できず、ランクを下げた安価な車を購入しなければなりません。さらにクレジット支払いの場合だとローン返済だけ残るという最悪のパターンに陥ることもあります。

特約をつけないことでランクを下げた車を選択しなければならなくなることも

先ほど述べたように車両新価特約を付帯していないと最悪の場合、ランクを下げた車に乗らなければならない可能性があります。仮に200万円の車を購入し、車両新価特約を付保するパターンと未付保パターンを考えてみます。

付保 未付保 差額
1年目 200万円 200万円 0万円
2年目 200万円 160万円 40万円
3年目 200万円 130万円 70万円

仮に新車を購入し3年目に車が全損になった場合、受け取れる金額の差額は70万円になります。次の車を購入する場合、車両新価特約を未付保で金銭的に余裕がない人は130万円の車しか買えません。一方車両新価特約に加入していれば、同等の車を購入することができます。このように、万一の時に車両新価特約を付保していないと、受け取れる保険金に大きな差が出てきます。

実際に車両新価特約を使用することはあるの?

必要性が高いと説いてきた車両新価特約ですが、使う機会が多いかと言えばあまり多くはありません。そもそも全損事故でないと使う機会がないことからも、もしかしたら保険料を掛け捨てのままにしてしまう可能性もあります。

しかし、重大事故はいつ発生するかわかりません。さらに自然災害などに巻き込まれるケースもあり、そうした事態に「備える保険」しては必要性が高いということには間違いありません。実際に西日本豪雨災害の際はこの特約があってスムーズな新車買い替えを実現できた方もたくさんいます。もちろん事故を起こさない、巻き込まれないことが一番ですが、保険はもしもの時に備えるもの。リスクヘッジを行いたい方はつけたい特約のひとつと言えるでしょう。

車の破損に備えたい人がチェックしておくべき他の特約は?

車両新価特約の他にも、車の破損に備えた特約はあります。必要性に応じて合わせて付帯することでより手厚い補償プランを組むこともご検討ください。

地震・噴火・津波車両全損時一時金特約

地震・噴火・津波車両全損時一時金特約(保険会社によって呼び方が違います)は地震・噴火・津波によって車が全損してしまった場合に50万円の保険金を受け取ることができます。車両保険では、地震による損害は補償の対象外になっています。対象外の理由は、地震は発生時期や発生頻度の予約が極めて困難で、一度に大きな損害を発生させる可能性があり、適切な保険料の設定が困難だからです。この特約の全損の定義は保険会社によって違うため、加入検討時に内容の確認が必要です。地震・噴火・津波で全損になっても50万円しか受け取れず、万全の補償とは言えませんが、万が一の時の保険金を受け取ることができます。

車両全損時諸費用特約

車両全損時諸費用特約は車の全損時に車両保険金の10%が支払われる特約です。この特約はほとんどの保険会社が車両保険に自動付帯となっていますが、一部自動付帯となっていない保険会社があるので確認が必要です。例えば、200万円の車両保険金なら諸費用特約の20万円を合わせて220万円の保険金となります。この特約のメリットは保険金の使用用途が決められていないことです。保険金を受け取って何に使っても問題ありません。車両全損時諸費用特約と車両新価特約の保険金と合わせて使用すれば、今乗っている車よりランクが上の車を購入できるケースもあります。

まとめ

まとめ
  • 車両新価特約は事故や災害で全損になった時や修理額が時価の半分以上の金額になった際、次の車の買い替え費用を補償してもらえる特約である。
  • ディーラーは顧客の万が一に対応するために車両新価特約をお勧めする。ディーラーからすれば車両新価特約を使用する場合、次の顧客の代替のチャンス、顧客の信頼をつかめる可能性があるという背景もあることも勧められる要因のひとつ。
  • 車両新価特約の使用ケースは極めて少ないが、使用した場合の顧客が受ける保険金の恩恵は大きい(リスクヘッジとしては必要性が高い)。
  • 車両新価特約は金銭的に余裕がない人にこそお勧めの特約である。
  • その他の車の破損に備える特約は地震・噴火・津波車両全損時一時金特約と車両全損時諸費用特約が考えられる。

車両新価特約はディーラーと顧客双方にとってメリットのある特約です。顧客からしても大きな事故や災害の時に車が全損になっても、大きな負担なく次の車を検討することができます。特に、金銭的に余裕がない人にとっては特にお勧めです。せっかく購入した新車が全損になってしまって、お金がなくて次の車を買えないという心配がなくなります。この記事が車両新価特約を検討している方の参考になれば幸いです。

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