走行中、飛び石によってフロントガラスが破損してしまうことがありますが、飛び石など飛来物による破損は車両保険を使って修理することができます。
ですが、車両保険を使うと等級ダウンにより、次年度以降の保険料が上がってしまうなどのデメリットもあるため、保険を使うべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、次年度以降アップする保険料よりも、修理代のほうが高い場合は車両保険を使って直したほうがいいと言えるでしょう。フロントガラスだけに限らず、車両保険を使うケース全般に言えることなのですが、修理代と翌年以降アップする保険料を天秤にかけて判断することが大切です。
今回は、飛び石によってフロントガラスが割れてしまった場合に、車両保険を使うべきかの判断基準についてお伝えします。
元ホンダディーラー営業チーフ。H24損害保険募集人資格取得。車の販売と損害保険の募集経験あり。事故救援や事故受け付けなどの業務を多く経験しており、自身が追突される事故も数回経験。保険屋しかしらない専門知識や事故対応ノウハウを伝授します。
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目次
飛び石によるガラス修理は車両保険を使うべき?

飛び石によってフロンロガラスに傷がつくことは決して珍しくありません。特にヒビが入ってしまった場合はそのままにしておくとかなり危険なため、すぐに修理することが大切です。
ただ、車両保険を使って直すと等級が下がったり、次年度からの保険料が上がったりというデメリットが心配だという方も少なくないでしょう。こうした点を考慮しても車両保険を使うべきだと言えるのでしょうか?
修理代と翌年以降アップする保険料を天秤にかけて決める

車両保険を使うかどうかは、修理代と翌年以降アップする保険料のどちらが高いかを天秤にかけて決めるといいでしょう。
もし修理代が翌年以降アップする保険料よりも安いようなら車両保険を使うメリットはかなり薄いと言えます。その場合は自費で修理したほうが経済的なダメージが最小限ですみます。
逆に翌年以降上がる保険料よりも修理代のほうが高ければ保険を使うメリットが大きいですので、積極的に保険を使うべきです。
車両保険を使うケースすべてに言えることですが、面倒でも修理代と翌年以降上がる保険料を必ず比較することが重要です。
修理代と等級ダウンの両方を考慮し、保険を使うべきかどうか決めた参考になる体験談事例→シビックタイプRで自損事故!車両保険加入で修理代チャラに【体験談】|車大好き LOVE IN MYCAR
飛び石で車両保険を使っても1等級しか下がらない
自動車保険の中には「3等級ダウン」と「1等級ダウン」、もしくは「ノーカウント」事故がありますが、飛び石の場合は「1等級ダウン事故」にあたります。
もし等級が下がったとしても翌年以降の保険料アップは最小限で済みますし、1年間保険を使わなければ等級も元どおりになります。
「事故あり等級」にも注意
自動車保険を使うとただ等級が下がるだけでなく、「事故あり等級」という特別な等級が適用されます。
例えば通常の10等級が45%割引なのに対し、事故あり等級だと23%割引にしかなりません。同じ等級でも事故あり等級のほうが割引率が小さくなりますので留意しておきましょう。
フロントガラスの修理にはどれぐらいの費用がかかるか?
フロントガラスの交換費用は、車種やどのガラスを選ぶかにもよりますが、基本的には軽自動車で約10万円、普通車となると13万円前後もの費用がかかります。
翌年以降10万円以上の保険料アップとなることはほとんどないため、多くのケースでは車両保険を使って直したほうがお得です。
エコノミー型車両保険は飛び石事故にも適用される
車両保険には「一般型」と「エコノミー型」の2つがあります。エコノミー型は保険料が安くなりますが、その分適用範囲は狭くなってしまいます。
ただし、飛び石に関して言えばエコノミー型車両保険の適用範囲です。問題なく保険は使えますのでご安心ください。

飛び石の傷を車両保険でなおす前に必ず行っておくべきこと
車両保険を使う前には必ず以下の3点を確認するようにしてください。
1. フロントガラスの修理代や交換代の見積り
フロントガラスの修理は軽自動車で10万円、普通車で13万円前後とお話しをしましたが、これはフロントガラスをまるまる交換をする際に必要な基本的な金額であり、中古部品や修理で済む場合にはこれよりも安く済む場合があります。
そのため、車両保険を利用すると上がった保険料の方が高くなってしまう場合もあるので、事前にフロントガラスの修理代や交換代は必ず見積もってもらうようにしましょう。
2. 車両保険の免責金額を確認
また、免責金額を確認しておくのも非常に重要です。
免責金額とは?
修理費のうちの自己負担金額のこと。免責を設定すれば保険料を抑えることができますが、車両保険を使う時は設定した金額を自己負担しなければなりません。
免責金額によってはほとんど保険金がおりないというケースも考えられます。
例えば、修理費6万円で免責5万円だとすると、1万円しか保険金がおりないことになります。これでは保険を使うメリットがあまりないため、自分で修理したほうがお得です。
特に、JAなどは保険料を安く見せるため、免責金額が設定されている場合が多いです(中には10万円もの免責金額が設定されている場合もあります)。その場合には車両保険を使用しても10万円以下の修理は全て自己負担になりますので、必ず免責金額をチェックするようにしましょう。
また、一回目の使用では自己負担がなくても、1年間に2回以上車両保険を利用すると免責金額が発生してしまう場合もありますので、契約内容は必ずチェックするようにしてください。
3. 等級ダウンについて確認
基本的には飛び石による保険適用は1等級ダウンの扱いになる場合がほとんどですが、事故の状況によっては3等級ダウンになってしまう場合もあるので注意が必要です。
1等級であれば、今の等級に1年で戻ってこれますが、3等級ダウンだと戻るのに3年以上かかります。その間の保険料の差額分の方が高くなってしまう可能性もありますので、等級がどれだけダウンするかに関しては必ずチェックするようにしましょう。
飛び石の傷を車両保険で修理する時の手順は?
車両保険を使ってフロントガラスを直す手順は以下の通りです。
1. 保険会社へ連絡をする
まずは、保険会社もしくは保険の代理店に「フロントガラスに傷が付いたので修理したい」と相談しましょう。
今後の修理の流れなどがスムーズになると同時に、保険の等級ダウンや面積金額などについてのアドバイスを受ける事ができます。
警察への届出はいらないのか?
飛び石の場合は警察への届出が済んでいなくても保険金がおりるケースも多いのが実情です。
ただし、事故に遭ったら警察への届出は義務となっておりますので、基本的には届出を行い事故証明をもらうようにしましょう。
2. 修理工場で車の修理
修理工場は自動車整備業者やカーディーラーに連絡をすると代わりに手配してくれますので、自分で修理工場を探す手間はありません。まずは付き合いのある自動車整備業者やカーディーラーなどに連絡をして部品の手配や修理工場の手配をしてもらうようにしましょう。
その後は、修理工場へ車を預けた事が修理工場から保険会社へ伝えられます。そうすると、保険会社からアジャスターと言われる傷のスペシャリスト達が修理工場へ行き皆さんの車のなどの状況を把握します。
あとは車が修理されるのを待つだけです。
保険金はどう受け取るの?
車両保険の場合、保険金は自らの口座に着金されるのではなく、修理工場に直接支払われる仕組みになっています。ですから、修理が終わったら支払いをせずにそのまま車を受け取ることが可能です。
ただし、免責を設定している場合は免責分を支払う必要がありますので覚えておきましょう。
加害者への損害賠償請求はできないの?
飛び石は加害車両があるわけですから、損害賠償請求ができるかと思われがちですが、飛び石では損害賠償はできないというのが通例です。
損害賠償請求は現実的に難しい
基本的に飛び石による傷の場合には、多くの方が自分で修理をしています。と言うのも、飛び石をぶつけたことを前方の車が気づくことはほぼありません。というよりも、「気づけない」というほうが正しいでしょう。こうした状況で加害者に「飛び石で傷が入った」と主張しても、証拠がありませんので言いがかりのような感じになってしまうことがほとんどです。
また、前方に2台以上走行するような片側2車線以上の道路では、右側と左側の車どちらから飛んできたのか判断しづらいため、そもそもどちらが加害者なのかわからないことも多いです。
「ドライブレコーダーがあれば証拠となるじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、飛び石はドライブレコーダーにも映らないほど小さなものです。ですからたとえドライブレコーダーを付けていたとしても、証拠にならず加害者へ損害賠償を請求する事は難しいのです。
フロントガラスを修理しないとどんなことが起こるのか?
フロントガラスが破損をしている場合に、「修理しなくても走行できるから」と修理を先送りにする方もいらっしゃいますが、それは絶対にやってはいけません。フロントガラスにヒビが入ったらなるべく早めに修理するようにしましょう。
では、もしもフロントガラスに傷が入って修理をしないとどのような事が起こるでしょうか?
傷が広がる
フロントガラスにヒビがある場合では、そのまま放置しているとヒビはますます大きくなっていきます。
ヒビが大きくなるとフロントガラスの耐久性も下がってしまうため、簡単に割れてしまう危険もでてきます。
また、ヒビが広がってしまう事により運転時の視界不良につながり、最悪の場合は事故を起こす原因ともなります。
フロントガラスが落ちる
ヒビを放置していると、突然フロントガラスが落ちることもあります。
実際に見てもらうとわかるのですが、フロントガラスはやや湾曲しています。この湾曲がフロントガラスの微妙なバランスを保っているのですが傷はバランスを崩す原因となり、簡単に割れたり、落ちてしまったりするのです。さらに、走行中は前方からの空気の圧力によってさらにガラスは割れやすくなっています。車を止めている時であればまだしも、それが走行中であったらどうでしょうか。運転中にいきなりフロントガラスが落ちたなんてことになったら、誰でもびっくりしますし、最悪事故を起こす原因ともなります。
車検が通らない
フロントガラスに傷があると保安検査の基準を満たせない為に車検が通りません。
車検が通らないと、車検が更新できない為今後行動を走行する事ができなくなってしまいます。
ヒビが入ったら場合に修理までの間にやっておくべきことは?
フロントガラスにヒビが入っている場合に、すぐに修理ができれば良いのですが、交換が必要な場合には部品が届くまでに時間がかかる事が多いようです。
そんな時に、修理までの間にやっておくべき事をご紹介します。
1. 駐車中はできるだけ窓を開けておく
フロントガラスにヒビが入ってしまったら、駐車時にはできるだけ窓を開けておくようにしましょう。
これは車内の空気の膨張による、ヒビの広がりを抑える為です。
特に夏場には、空気が暖められやすくなります。空気は暖められると、膨張してしまう性質をもっており、これが車内で起きるとヒビを広げてしまう原因になってしまいます。
できるだけ窓を開けておくと空気の膨張を防ぐことができ、ヒビの広がりも和らげることができます。
2. 補修材で補修しておく
フロントガラスの傷を修理する補修材が市販で販売されています。これである程度はフロントガラスを補修することが可能です。しかし結局は、修理が必要となる為本当に応急的な物だと言えるでしょう。ただし、応急的にでも補修材を付けておけば、ヒビが広がる心配も少なくなりますので、修理までの日数が長引くようであれば、補修材を利用して修理を待つのをオススメします。
ちなみに、この補修材で修理をしておくと車検に通るという裏技がありますが、最終的にはきちんと修理するようにしてください。
まとめ
本記事の内容をまとめてみます。
- 飛び石の修理は自動車保険を使って直すのが基本
- 車両保険を使っても等級は一つしか下がらない
- 飛び石はエコノミー型車両保険の適用範囲
- 車両保険を使うのが本当に得なのか、免責金額や修理費、等級ダウンについてきちんと確認する
フロントガラスにヒビや傷が入ってしまうと、大切な愛車に傷が付いたとがっかりする方も少なくはないですが、その傷がいかに危険を招くのかという事はあまり知られていません。
修理の方法も、車両保険では修理ができないと思っている方も少なくはないようです。しかし、実は車両保険を利用すればしっかりと修理をする事ができます。
修理はできるのですが、しっかりと等級や修理代、免責金額を照らし合わせどの方法が一番お得に修理ができるのか、もしくはどの方法が一番自分に向いているかという事を考えて修理をする事が大切です。
もしも修理ができるお金が無ければ、やはり無理をするよりも保険を使う方が良いでしょう。
ですから、修理の際にはお得プラス自分のライフスタイルに合った修理方法を選択して無理をしない様に、修理をしていきましょう。


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