「転勤などで車が必要なくなった」「自分の車を廃車して家族の車を共用することになった」など車を所有する必要がなくなると、自動車保険も解約する必要があります。また、保険会社の乗り換えや等級のリセットを試みる場合も解約手続きが必要です。
自動車保険の解約手続きは全く難しくはありません。基本的には損保会社、または取扱代理店に「解約をしたい」という連絡をいれて、その後送られてくる書類に必要事項を記載して送り返せばOKです。
ただし、保険を解約するにはベストなタイミングがあったり、解約でなく休止を選んだほうがいい場合など様々なあります。
今回は自動車保険の解約について解説していきます。
現在中古車販売店の営業として勤務する傍らでフリーライターとしても3年間活動しています。損害保険募集人の資格も持ち、自動車保険の販売も並行して行っています。中古車を販売しながら、それに付随した自動車保険の提案を行っておりますので、より現場に近い立場から自動車保険のことについて解説ができます。またフリーライターとしての経験を活かし文章で皆様にわかりやすく自動車保険のことについてお伝えしていきたいと思っております。
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目次
自動車保険を解約する3つの方法
自動車保険を解約する方法ですが大きく分けて3つの方法があります。
保険会社に解約を申請する方法
自動車保険を解約する際のメジャーな方法です。契約している保険会社のカスタマーセンターなどに電話をして解約したい旨を伝えます。後日解約に関する書類が送られてきますので、必要事項を記入し送付。これだけで解約ができます。
その際、自動車保険の契約をしていた車両の売却・譲渡・廃車に伴う解約の場合は「中断証明書」を発行してもらいたい旨も併せて伝えましょう。中断証明書を発行してもらえば等級を最大で10年間保存できるため、万が一その後自動車の所有を再開し、自動車保険に入り直す場合に元の等級で契約できるため大変お得です。
代理店担当者に解約を申請する方法
カスタマーセンターの番号がわからない、電話が繋がりにくい場合などは実際の保険の契約をした代理店や担当者に解約したい旨を伝えることでも自動車保険の解約ができます。その後の手順は保険会社に解約を申請した場合と全く同じです。
後日送られてくる解約に関する書類に必要事項を記入して返送しましょう。また中断証明書を発行してもらう場合も代理店や担当者に伝えておけば発行してもらえます。
満期で更新をしない方法
自動車保険の満期が来る数ヵ月前くらいから、契約している保険会社から満期が来るので「更新をして下さい」という内容の満期のお知らせが届きはじめます。通常は更新する旨を記入して返送するか、電話などで更新する旨を伝えて更新をするのですが、ここで更新をしなければ自動車保険は満期をもって契約終了となります。
代理店によっては担当者が電話などで更新手続きのお願いをしてくる場合もあります。その際はその電話で更新をしない旨を伝えると良いでしょう。
ただし契約内容によっては満期時には自動で契約を更新する自動更新になっている場合もあるので注意が必要です。
簡単3ステップ!自動車保険解約までの流れ
それではここまで説明した自動車保険の解約の方法を簡単に3ステップでまとめます。
解約日(新しい保険の加入日)を決める
解約する日を明確にしましょう。廃車や譲渡・売却をする場合はその日付、乗り換えの場合は新しい保険へ加入する日を明確にしておきます。
解約日は早すぎてもNG?
乗り換えの場合解約日が早すぎるのはよくありません。自動車保険の等級は前の保険解約から7日以内に乗り換えないと引き継げません。また保険の空白期間ができると事故を起こした際に補償されなくなります。できれば解約日と新しい保険の始期日はぴったり合わせるのがオススメですよ。
保険会社に解約を申し出る
保険会社、もしくは代理店へ解約を申請します。いつ解約をしたいかなど明確に伝え、中断証明書を発行してもらう場合はその旨も忘れずに伝えましょう。
満期時に更新をしない方法の場合はこのステップで解約が完了します。
送付書類に記入し返送する
保険会社、代理店に解約を申請したら送られてくる書類に必要事項を記入し返送します。これで解約手続きが完了します。
自動車保険の解約はいつまでに申請すればいいのか?
自動車保険の解約はいつまでに申請しておくべきなのでしょうか?
解約希望日の1日前までには申請しておく
遅くとも解約希望日の前日までには申請してください。というのも、基本的に自動車保険の解約は「契約者が解約の申し込みをした日」に行われるのですが、実際には書類のやり取りがあるため、保険会社や代理店が解約に関する書類を送付するのに時間がかかってしまう場合があります。
そのため遅くとも解約希望日の前日、できれば1週間前くらいに申し込みをすることをおすすめします。
満期で解約する場合は申請不要
満期が来るときに更新しないことで契約を終了させる場合は特に申請などはいりません。「満期が来るので更新をして下さい」という旨のハガキや電話をスルーしておけば自動的に契約が終了します。
自動更新に注意!
保険会社によっては、満期までに解約の申し出をしないと自動更新となるところがあります。例えば損保ジャパン、東京海上日動などがそうです。他の保険会社でも契約時に自動更新のプランが付随している場合がありますので、一度ご確認することをおすすめします。
中途解約した場合の払戻金はいくらか?
中途解約した場合、払い込んでいる保険料が戻ってきますがどれぐらいの金額が戻ってくるのでしょうか?
月払いの場合
月払いの場合、解約時は月割計算になります。日割りではないため解約時に返戻金はありません。仮に2か月目で解約し、その時既に3か月目の保険料を払っているのであれば1か月分の保険料は返還されます。
年払いの場合
年払いの場合、多くの保険会社では「短期率」というものに従って返戻金が計算されます。「短期率」といきなり言われてもわからないと思いますので下記に短期率表を載せましょう。
日数 | 返還額 |
---|---|
7日まで | 90% |
15日まで | 85% |
1ヶ月まで | 65% |
2ヶ月まで | 65% |
3ヶ月まで | 55% |
4ヶ月まで | 45% |
5ヶ月まで | 35% |
6ヶ月まで | 30% |
7ヶ月まで | 25% |
8ヶ月まで | 20% |
9ヶ月まで | 15% |
10ヶ月まで | 10% |
11ヶ月まで | 5% |
12ヶ月まで | なし |
例えば年間の保険料が10万円のとき、6ヵ月までに解約した場合、返ってくる返戻金は単純計算で半分の5万円だと思いがちですよね。
しかしこの短期率表に基づいて計算すると「10万円×70%=7万円」となります。この70%というのは返戻金ではなく保険会社がもらう割合になります。そのため返戻金は「10万円-7万円=3万円」となります。
年払いの場合、短期率で計算されるので返戻金で損をしてしまうケースがほとんどなので注意が必要です。
自動車保険の乗り換えで解約するなら満期日を待った方が等級に有利
自動車保険の乗り換えで解約するならばほとんどのケースで満期日を待った方が等級に有利です。と、いうのも等級が上げるには「同じ保険会社で1年間無事故で契約を続ける」必要があるからです。
例えばA社で11か月間自動車保険に加入している時に解約しB社で新たに自動車保険に加入した場合、本来だったらあと1か月A社の自動車保険に加入していれば1つ上がるはずだった等級が、B社で入り直したためまた1年間待たないと上がらないといった状況になることが考えられます。
また年払いの場合は返戻金でも損をしてしまうため、よほど早く今の保険を解約したいだとか、保険に加入してまだ日が浅いなどではない限りは満期日を待ち、等級を1つ上げてから解約をする方が圧倒的にお得です。
解約でなく自動車保険を「休止」する選択肢もある
自動車保険は解約だけでなく「休止」という選択肢もあります。これは自動車保険を契約していた自動車を売却・譲渡・廃車などして、自分の所有ではなくなる場合に選択可能な方法です。自動車保険を他社に変更するために解約する場合、休止はできないのでご注意ください。
自動車保険を休止すると「中断証明書」というものが発行されます。この中断証明書は最大で10年間、自分の解約時の等級を証明してくれるもので、例えば解約時に20等級で中断証明書を発行してもらっておけば、その後なんらかの理由で自動車保険に入り直す場合、20等級で入り直せるものになります。
万が一中断証明書を発行してもらっていない場合、新規6等級での契約となるため割引率に雲泥の差があります。休止という選択肢が取れる場合は必ず中断証明書を発行してもらうようにしましょう。
自賠責保険を解約する必要はあるのか?
自賠責保険は任意保険とは違い、完成検査時、もしくは車検時に車そのものにかけられている保険です。自動車保険の乗り換えの場合、自賠責保険の解約は必要ありません。
万が一、所有していたお車を廃車する場合に限っては自賠責保険を解約することで返戻金を受け取れるので解約をした方が良いでしょう。
自動車保険の解約をする前に必ず確認したいこと
それではここまでのおさらいで自動車保険を解約する前に確認すべきことを簡単にまとめていきます。
解約のタイミングは適切か
まず、解約のタイミングが適切かどうか考えてみましょう。自動車保険を他社に乗り換える場合などは、等級のこと、返戻金のことなどを考え満期日まで待った方が良いケースが圧倒的に多いです。すぐに解約すべきかどうかはしっかり考えた方がいいでしょう。また、保険の空白期間ができないように調整することも非常に重要です。万が一空白期間に事故を起こすと補償は受けられませんので十分に注意しましょう。
今後も自動車保険を利用する可能性がないか
自動車の売却・譲渡・廃車に伴う自動車保険の解約の場合、今後も自動車保険を利用する可能性がないか考えましょう。もしある場合は中断証明書の発行をしておくことをおすすめします。また、ないという場合でも中断証明書は発行しておいた方がいいでしょう。向こう10年間、何が起こってもおかしくありませんし、中断証明書は同居の親族であればその権利を譲渡することもできます。
中断証明書の発行には料金もかからないですし、手間もそこまでかかりません。万が一を考え発行しておくことをおすすめします。
本当に自動車保険を解約して構わないか
本当に自動車保険を解約して構わないかもしっかり考えましょう。例えば自動車保険は同居の親族であれば譲ることができます。同居のお子様やお孫様が直近で車に乗り始める予定があるのであれば、自分の高い等級の自動車保険をお子様やお孫様に譲ることもできます。
21歳以下の若い方が新規6等級で保険に入るとかなりの保険料になってしまいます。もし自分の保険を譲って高い等級で保険に入れたらかなりの節約になりますよ。
こういったこともあるため、自分だけでなく周りの状況などもよく見て、本当に自動車保険を解約しても構わないかしっかり考えてから解約という選択をするようにしましょう。
まとめ
今回は自動車保険の解約について解説していきました。解約の手続き自体は電話で済ますことができますし、満期時に更新をしなければ自動で契約が終了になるなど非常に簡単に行えます。
簡単に行えるからといって、すぐに解約をするのではなく、解約のタイミングをしっかり考える。中断証明書の発行ができるなら忘れずにしておく。こういったことをしっかりと行い損をしないように解約をすることが重要です。
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