車を運転していると、前方の車や対向車などからの飛び石でフロントガラスに傷がついたり、割れてしまったりすることがあります。
その場合、小さな傷でも修理を行わないといけません。フロントガラスに傷がついていると車検も合格しませんし、割れて大事故に繋がる事もあるからです。
しかし、フロントガラスの修理にはどれぐらいの費用がかかり、どのぐらいの時間がかかるのでしょうか。また自動車保険を使うべきかわかならいという方もいらっしゃるはずです。
今回は、タントのフロントガラスが割れてしまった場合の修理や交換について詳しく解説します。
目次
フロントガラスのヒビは放って置かず必ず修理・交換が必要
フロントガラスのヒビは、走行での風圧や太陽の熱、その他の衝撃などによってどんどん大きくなっていきます。場合によってはフロントガラスが突然落ちたり、外れたりする場合があるので、放っておかずに修理に出すようにしてください。
貫通や傷が大きい場合は交換となる
フロントガラスが貫通している場合、または傷が大きい(500円玉以上のキズ)の場合は修理が難しく、交換になることが多いです。
大きな傷はたとえリペア修理できたとしても経年劣化で徐々に傷が広がったり、縦に大きなヒビ割れを起こす可能性があります。ですからできるだけ交換するのがオススメです。
傷が小さい場合はウインドリペアでOK
傷が小さい場合は、リペア修理で大丈夫です。
ただし、小さな傷でも運転の視界の妨げになる場合は交換となる場合もあります。運転席側の傷の場合は車検の検査官によっては不合格とされる場合があるので、修理工場で車検に通るか確認してからリペア修理を行って下さい。
タントのフロントガラスの修理・交換費はいくらぐらいになるのか?
フロントガラスの修理・交換にかかる工賃は、以下の通りです。
- 修理の場合:修理費のみ
- 交換の場合:交換費用+フロントガラス代
修理の場合には修理工賃のみで済みますが、交換になると「交換費用+フロントガラス代」となります。
修理費や交換費は業者によってマチマチです。ただ、タントのフロントガラス修理・交換費用の相場としては修理費は1万〜2万円、交換費用は5万円〜15万円ほど(フロントガラス代込み)かと思われます。
フロントガラス代は種類によって異なる
フロントガラス交換費用の相場が5万円〜15万円と幅が出るのは、フロントガラスの種類によってガラス代に差が生じるからです。
純正フロントガラス
各自動車メーカーが取り扱っている純正品のフロントガラスで、各自動車メーカーの刻印が刻まれています。タントの純正フロントガラスは7万円ほどします。
高機能断熱ガラス
純正品と変わらず高価なフロントガラスで、断熱度やIR(赤外線)やUV(紫外線)を吸収する特殊なフロントガラスです。
熱を吸収してくれる為、車内を高温にする事を防ぐ効果もありますし、エアコンの効きも良くなり、低燃費効果もある機能的にも優秀なフロントガラスです。
種類にもよりますが、5万円〜6万円ほどの商品が主流です。
国産製・社外フロントガラス
純正フロントガラスの型を元に、国内の大手ガラスメーカーが製造しているフロントガラスです。
純正フロントガラスと比べても、価格が安価な事もあって、一番多くフロントガラスの交換修理に使用されているフロントガラスです。
タントの場合は4万円〜5万円ほどで手に入ります。
海外製・社外フロントガラス
海外で製造されている最も安価なフロントガラスで、主に中国製やアジア地域で製造されたものが多いです。
国内JIS規格準拠品で、車検対応にもなっていますから、使用上の問題はありません。
ただし、あまりにも安価な海外製・社外フロントガラスの場合、粗悪な物も出回っているので、修理工場などで相談してから使用するようにして下さい。
1万円〜3万円ほどで入手可能です。
タントのフロントガラス交換費用は5万円以下に抑えられる
タントのフロントガラスを交換する場合は5万円ぐらいが目安です。
もちろん純正ガラスを使った修理だと10万円以上は掛かりますが、「国産製社外フロントガラス」を使用した交換修理が最もポピュラーな交換方法です。それなら5万円ほどで交換できるはずですので、このぐらいを目安に考えてもらっていいでしょう。
車両保険に入っていれば修理・交換費用をまかなえる
フロントガラスの修理・交換は、自動車保険の車両保険に入っていれば補償されます。
ただし、ケースによっては補償がおりないこともあるので注意が必要です。
相手が存在する事故や、飛び石による割れなどでは、問題なく保険が使用出来ますが、相手が特定出来ない場合のヒビ割れやフロントガラスの割れによる交換では、保険が使えない場合があります。
念のため、フロントガラスの交換修理を行うのに保険が利用出来るかを自動車保険会社へ確認してください。
フロントガラス修理・交換に自動車保険は使うべきなのか?
自動車保険を使うべきかどうかは、翌年以降にアップする保険料と、今回かかる修理費用を天秤にかけて考える必要があります。
フロントガラスの修理・交換で車両保険を使った場合、例えば飛び石による被害なら1等級ダウン、自損事故の場合は3等級ダウンとなり、翌年以降の保険料が上がってしまいます。
さらに、免責金額を5万円に設定している場合は、5万円までの修理・交換費用は自己負担となってしまいます。仮にフロントガラスの交換修理代が7万円の場合で保険を使用すると、5万円は手出しとなり、残りの2万円しか補償されないということです。
たかだか2万円の保険金を受け取って、翌年以降それ以上に保険料が割増になるようなら保険は使うべきではありません。
一度車両保険の免責金額と、翌年以降の割増料をしっかりと確認してから自動車保険を使用するかどうかを決めて下さい。
修理にはどれぐらいの時間がかかるのか?
タントをフロントガラス修理に出した場合、どれぐらい時間がかかるのでしょうか?
フロントガラス修理・交換は約2時間〜半日ほどで終わる
フロントガラスの修理であればだいたい2時間、交換でも半日程度で終わることが多いです。
フロントガラスの修理工程は、下記の手順で行います。
- フロントガラスに貼られている車検ステッカーやワイパー等を取り外す。
- フロントガラス交換用カッターとピアノ線を使って、フロントガラスの周りに付いている黒いゴムモールを取り外して、接着剤を切断しながらフロントガラスを取り外す。
- フロントガラスを取り外したら、車両側の接着面をスクレーパー等を使って、接着剤の跡を綺麗に除去する。
- 新しいフロントガラスに、黒いモールを取付ける。
- 新しいフロントガラスに、フロントガラス用接着剤を塗布する。
- 新しいフロントガラスを車両へ取付けて、車検ステッカーやワイパーなど、最初に外した部品を取付ける。
- 接着剤は硬化するまで3時間~半日待つ。
- 接着剤が硬化すれば完成です。
接着剤が硬化する時間は、気温にもよりますが、夏場で3時間程で、冬場に限っては半日程で硬化します。フロントガラスの脱着、接着剤の硬化までの時間は、6~8時間と思って下さい。
修理交換費用の支払いの流れ
修理に出す場合は支払いの流れも気になるところだと思うので、ここで紹介します。
自分で支払う場合
フロントガラスを実費で支払う場合は、修理の見積書を確認して、納得した上で作業に入って下さい。
修理が完了したら、請求書をもらって修理代金を支払うという流れです。
自動車保険を利用して支払う場合
フロントガラスの修理代金を、自動車保険を利用して支払う場合、自動車保険会社に保険が使えるのかを確認して下さい。
保険が使えるのであれば、フロントガラスの修理見積書を販売店や修理工場で用意してもらい、自動車保険会社へ提出して下さい。
自動車保険会社が、警察署へ事故の状況を確認しますので、事故の相手との過失交渉に入ります。
今回の事故の過失割合を相手(自動車保険会社の場合もあります)と話し合いによって過失割合を決めます。
もし相手に全て過失がある場合は、フロントガラスの修理に関わるもの全てが、相手側の全額負担となります。
フロントガラスの修理が終わった所で、自動車保険会社へ修理完了を伝えて、修理会社から自動車保険会社へ請求書を発行してもらいます。
自動車保険会社から修理会社へ直接フロントガラスの修理代金が支払われます。
フロントガラスは自分で修理することはできないのか?
フロントガラスについた傷は自分で修理をすることはできないのでしょうか?
本当に小さな傷の応急処置程度ならできる
タントに限らず、キズが100円硬貨よりも小さなヒビ割れ程度でしたら、ヒビを埋めるだけのリペア修理で直す事が出来ます。
フロントガラスの修理については補修剤が市販されているので、それを使って補修を行えばOKです。
しかし、小さなヒビ割れでも時間の経過とともに徐々に傷が大きくなることも多いです。また、自分で補修した場合は、出来栄えなどで車検に通らない場合があります。自分のリペアは応急処置的なものだと思って、できるだけ修理や交換に出したほうが無難です。
安全面を考えると修理に出すべき
また、安全面を考えますと自分での補修で終わらせるのは心もとないです。
最初は小さな傷でも、熱や風圧で日を追うごとに傷口が大きくなる場合があります。
リペア補修出来たと思っていても、補修しきれていない可能性もありますから、出来る限り自分では修理を行うのはやめたほうがいいでしょう。
フロントガラスが割れた場合にとるべき行動は?
フロントガラスが割れる状況として、事故によって割れたのか、それとも事故以外で割れてしまったのかによってよって対処が変わってきます。
事故による破損の場合
警察署への連絡
事故を起こした場合には、必ず警察への連絡を一番に行って下さい。
自損事故の場合は警察への届出をしなくていいと思っている方もいますが、電柱やガードレールにぶつかった場合など、器物を破損しているような場合は届出は必須です。
当然、自動車保険を使う場合は警察への届出がなければ補償されません。できれば事故直後に警察への連絡をすることがベストですが、これを読んで気づいたのであれば今すぐ連絡をいれるようにしましょう。時間が経てば経つほど事故証明書の取得は難しくなります。
負傷者が居る場合は、人命救助が最優先ですから、救急車の手配も忘れずに行って下さい。
加入している自動車保険会社への連絡
事故を起こした場合は、保険の使用の有無に関わらず加入している自動車保険会社への連絡も必須です。
事故の状況などを伝えた上で自動車保険会社の指示を受けて下さい。
最近の自動車保険は、レッカー手配・代車手配・宿泊手配など様々なサービスが付帯されているものが多いのです。事故を起こした場合は積極的に相談してOKです。
自動車販売店への連絡
事故を起こした場合、自動車販売店への連絡も忘れずに行って下さい。
深夜に起こした事故で、自動車販売店との連絡がすぐに取れない場合もありますが、自動車販売店に留守番電話が付いている場合は、慌てずに伝言を残すようにして下さい。
自動車販売店と連絡が取れた場合は、事故の状況や愛車の状況などを報告した上で、どこの自動車保険会社に連絡したのかも伝えいて下さい。
多くの場合は、自動車保険会社と自動車販売店が連絡を取り合って、事故後の処理を行っていきます。
その他の原因による破損の場合
事故以外で、フロントガラスが破損する場合もあります。
例えば、前を走行している車から飛んで来る石や、いたずらで固い物をぶつけられてフロントガラスが破損したなど、事故以外でもフロントガラスが破損する事はあります。
加入している自動車保険会社への連絡
飛び石や気が付いたらフロントガラスが割れていた等、覚えがない破損でも加入している自動車保険会社へ連絡して下さい。
最近の自動車保険は、事故とは関係なく破損した場合でも、保険が利用出来る場合があります。
まずは、加入している自動車保険会社へ連絡をして、破損状況などを伝えて相談して下さい。
自動車販売店への連絡
フロントガラスの傷は、小さくても車検に通らない場合がありますし、そのまま放置しておくと、少しの衝撃で大きく割れる事があります。
傷の大小に関わらず、破損に気が付いた時点で、自動車販売店へ相談を兼ねて連絡して下さい。
修理を行うアドバイスはもちろんですが、保険を使用する場合にも修理見積書は必要になりますから、自動車販売店への連絡は必ず行って下さい。
タントのフロントガラス修理における注意点
最後にフロントガラス修理における注意点を説明したいと思います。
フロントガラス修理業者選定の注意点
悪質な修理業者でないか
フロントガラスを修理してもらう業者は、なるべく販売店や顔見知りの工場などで紹介してもらうようにして下さい。
悪質な修理業者ですと、粗悪なフロントガラスを使用して、高額な見積書を出して来る事があります。
相談をしてこない修理業者でないか
フロントガラスの交換修理で、どのフロントガラスを使用するのかなど、何も相談して来ない修理業者はNGです。
フロントガラスには沢山の種類があるので、作業に入る前には必ず打合せを行うようになっています。
相談も無く勝手に作業に入るような修理業者は、自分の利益だけを考えて修理を行う恐れがあるので、問題外です。
フロントガラス交換する場合の注意点
次にフロントガラスを交換する場合の注意点です。
相手に賠償させる場合は純正ガラスを選ぶ
事故などで、相手側に全て過失がある場合は、純正フロントガラスを使用するのが一番安心出来ます。
純正フロントガラスは、非常に金額が高いので、実費の場合はオススメ出来ませんが、純正品なので、下取などに出す場合でも評価が下がる事がありません。
実費の場合は国産社外フロントガラスを選ぶ
実費でのフロントガラスの修理や、過失割合によって自分の負担が出る場合などは、国産社外フロントガラスを使用する事をオススメします。
国産社外フロントガラスは、大手国産ガラスメーカーが製造しているので、純正フロントガラスと品質的に比べても全く問題はありません。
価格が純正フロントガラスの半額以下なのが最大の魅力で、修理代の負担がある場合は、国産社外フロントガラスを選択する事と良いでしょう。
輸入社外フロントガラスはできれば避けたい
フロントガラス修理代を全額実費で支払う場合は、輸入社外フロントガラスでも良いのですが、出来れば避けたいところです。
昔は粗悪品が多かった輸入社外フロントガラスですが、最近では品質も向上していますから心配はないのですが、国内での信用度はまだまだ低いです。
下取へ愛車を出す場合でも、評価が下がる恐れがあるので、よっぽどの理由が無い限りは、輸入社外フロントガラスの使用は避けたいところです。
中古フロントガラスも極力使わない
最も安い交換方法に、中古のフロントガラスを使用する方法もありますが、中古のフロントガラスは小さな傷が付いている物が多いです。
フロントガラスは、ちょっとした衝撃でヒビが入ったりしますので、中古のフロントガラスへの交換はオススメ出来ません。
フロントガラスをリペア修理した場合の注意点
最後にリペア修理した場合の注意点です。
市販のリペアキットを使う際は慎重に
リペア補修キットが市販されていますが、自分でリペア補修修理を行って失敗した場合、元に戻す事が出来ません。
失敗して、やり直しが利かない状態ですと、フロントガラスを交換しなければいけなくなります。
安いからと言って、自分でリペア補修修理を行うと結局、高くついてしまう可能性があります。
リペア補修修理も、プロに依頼して行うようにして下さい。
リペア修理をしても車検に必ず通るわけではない
リペア補修修理を行えば、必ず車検に通るとは限りません。
特に運転席側のリペア補修修理は、車検に通らない可能性が高くなります。
フロントガラスは、少しの衝撃で突然割れる事もありますから、目立つ傷やヒビ割れの場合は、フロントガラスを交換する修理にして下さい。
安全面を第一に考えると、フロントガラスの交換を選ぶべきです。
まとめ
タントのフロントガラスの修理について色々と紹介してきましたが、如何でしたでしょうか?
飛び石によって少し傷が付いていても、小さな傷で割れてもいないから大丈夫だと思ってはいけません。
小さな傷であっても、少しの衝撃で突然割れるケースも十分に考えられます。
タントのフロントガラスに傷がある事を発見した場合は、速やかに販売店や修理工場へ相談して下さい。
フロントガラスの傷は、発見が早ければ早いほど、リペア補修修理で直す事が出来ます。
前の車との車間距離を十分に取る事でも、飛び石を防ぐ事が出来ますから、運転する時は車間距離に気を付けて下さい。