車が全損になると廃車や買い替えが必要になりますが、この時の手続き費用をカバーするのが「全損時諸費用特約」です。車両保険に自動付帯されていることもあり、車両保険金額の10%(上限20万円)まで補償してくれる特約です。
しかしながらこの全損時諸費用特約、必要性が高い特約なのでしょうか。今回は、全損時諸費用特約と、その必要性について詳しく解説します。
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目次
全損時諸費用特約は必要なのか?
車両保険金額が高い車はつける価値あり
車両保険の金額が高ければ貰える金額も多くなるため、高い車両保険金額を設定している場合はメリットが大きいです。例えば車両保険の金額が50万円以上の設定となっている方は5万円が支払われるため、廃車や買い替え時の費用の足しには十分なると考えられます。
掛け金が安いためつけておいても大きな損はない
また、全損時諸費用特約は掛け金が非常に安いため、つけておいてもそんなに損ではありません。おおよそ年500〜1,000円程度で特約を付帯することが可能です。1,000円を20年間かけ続けたとしても、合計で2万円の支出。たとえ車両保険の金額が20万円程度と安くても全損時に2万円は支払われるわけですから、トントンぐらいの保険金が受け取れます。全損時には平均で10万円もの廃車・買い替え費用がかかります(後述します)。もしもの時に備えたいというのなら十分つけてもいい特約なのではないでしょうか。
廃車・買い替え費用を補償してくれる全損時諸費用特約とは?
「全損時諸費用特約」とは、全損扱いの事故になった際、廃車や買い替え費用を補償してくれる特約です。補償される金額は、車両保険金額の10%。ただし、上限は20万円までと定められているのが一般的です。
例えば、車両保険を150万円と設定している場合は15万円が支払われます。逆に車両保険金額が20万円は2万円の支払いにとどまってしまいます。
車両保険金額150万円の場合
150万円×10%=15万円
車両保険金額20万円の場合
20万円×10%=2万円
車両保険に自動付帯されていることがほとんどであり、車両保険をつければ追加手続きは特にいりません。加入率はイーデザイン損保のデータによると56%が加入と、約半分の人がつけ続けている特約となります。
【おさらい】全損時諸費用特約とは?
- 全損になった車の廃車・買い替え費用を補償してくれる特約
- 車両保険金額の10%を補償
- 上限は20万円まで
- 車両保険に自動付帯される
廃車・買い替えにはどんな費用がかかるのか?
廃車には2〜3万円、買い替えには車両価格の10〜20%の金額がかかる費用の目安となるでしょう。
廃車費用
- 解体費
- レッカー費
- リサイクル費用
- 業者引き取り費
- 登録抹消費
買い替え費用
- 登録費
- 税金(取得税・自動車税・重量税)
- 車庫証明費
- テキスト
- テキスト
など
全損時諸費用特約が使えないケース
全損時車両保険特約は使えないケースもあります。以下項目は一例となりますので、それぞれの保険会社の規約を確認するようにしてください。
- 無免許運転、酒気帯び運転などによって生じた損害
- 地震、噴火、津波によって生じた損害
- 詐欺または横領によって生じた損害
- ご契約されているお車に存在する欠陥、摩滅、腐食、さび、その他の自然消耗によって生じた損害
- 故障による損害
(出典:イーデザイン損保)
まとめ
- 全損になった車の廃車・買い替え費用を補償してくれる特約
- 車両保険金額の10%を補償
- 上限は20万円まで
- 車両保険に自動付帯される
- 車両保険の金額が高く設定されている場合はつける価値あり
- 掛け金自体が低いのでもしもの時に備えるという選択肢もあり
全損時諸費用特約は全損にならないと使えない特約ですので、あまり使う機会がない特約ではあります。しかし、もし全損になった場合は廃車費用や買い替え費用に思わぬ出費を余儀なくされる可能性も否定できません。そういう時に備えて、この特約をつけておくと言う選択肢はアリです。そもそも掛け金自体が少ないため、年間のダメージもほとんどありません。一生のうちに全損事故を起こすことなどない人がほとんどでしょうから、特約に支払うお金自体が無駄になる可能性もありますが、保険は安心を買うもの。もしもの時に備えることも大事です。
もちろん必要なければ外しても構いません。その辺はご自分の好みに応じてカスタマイズする必要があります。特約などの付帯サービスが多い自動車保険だからこそ、自分にとって何が必要な保険なのかを判断し、サービスを受けていくことが大切です。
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