子供が運転をするようになり新規で自動車保険に加入すると、驚くほど高い保険料になることがあります。事故を起こしやすい若い世代は割引が年齢による適用されないのと、新規で買った車は等級もまだ低いため保険料が跳ね上がってしまうのです。
このような場合、保険料を下げるにはどんな手段があるのでしょうか。また運転に慣れていない子供にはどれだけの補償を残しておくべきなのでしょうか。
今回は子供が運転するようになった家庭の自動車保険見直しポイントについてお伝えします。
大学卒業後、大手損害保険会社に総合職として就職。在職中は営業担当。損害保険会社を退社後、生損保代理店を経営。数多くの自動車保険、事故を取扱う。損害保険全般に精通した知識を活かし、保険の上手な使い方をお伝えします。
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目次
子供が新しく車を買った場合の保険料を安くする2つの方法
子供が新しく車を買った場合に保険料を抑える方法は主に2つあります。
- 「押し出し新規」+「セカンドカー割引」の組み合わせ
- 中断証明書の活用
押し出し新規とセカンドカー割引を組み合わせる
自動車保険の等級は新しく買った車に引き継がせることができます。これを「押し出し新規」または「車両入替」といいますが、これを応用したテクニックとして親の車と子供の車の等級を入れ替える方法があります。
例えば、親の車にかかっていた20等級の保険を子供の車に引き継がせ、宙に浮いた親の車は新規で保険に入り直すという方法です。一見、親の車の等級が新規の6等級まで下がるので保険料が高くなるように感じますが。年齢割引が適用されるので、思ったほど保険料は高くなりません。むしろ年齢割引がきかない子供世代の保険料を抑えることで、家族全体の保険料はトータルでみればかなり抑えることができます。
さらにここにセカンドカー割引を適用できれば、新規契約でも7等級からスタートすることができるので、さらに10%ほどの割引となります。親の車はあわせて4割近い割引となり、7等級といえどそれほど保険料は上がりません。
この二つを組み合わせると、純粋に子供の自動車保険にセカンドカー割引だけを使った時と比べて、トータルの保険料が3分の2くらいまで下がることがあります。手続きとしては少し煩雑になりますが、大きな割引の恩恵を受けることができますので、必ず保険の担当者に、「車を1台購入したんだけど、セカンドカー割引と押し出し新規を組み合わせて設計してほしい」と伝えてください。
子供 | 父親 | 合計 | |
---|---|---|---|
引き継ぎなし | 223,310円(6s等級) | 58,800円(20等級) | 282,110円 |
引き継ぎあり | 139,500円(20等級) | 72,410円(7s等級) | 211,910円 |
中断証明書がある場合は、復活させることができる
以前に車を複数所有していて、車を廃車や譲渡などをした場合に「中断証明書」が発行されているかと思います。これは、7等級以上の割引等級の自動車保険を廃車・譲渡により解約した場合、等級を10年間寝かしておくことができ、車を新しく買ったときにその等級を復活させて割引が適用できるというものです。先ほどと同じく押し出し新規と複合することができます。
最もいい方法は、現在ついている等級と、復活させる中断証明書の等級を比較して、等級が進んでいる方に子供の自動車保険をかけます。現在ついている保険のほうが等級が進んでいれば、押し出し新規を使い車両入替をして、中断証明書で再開をした自動車保険に親の自動車保険をかけます。中断証明書の等級の方が進んでいた場合には、再開した自動車保険に子供の自動車保険をかけるようにします。
また、車が増えるということは複数所有割引も使うことができますので、まとめるのも一つの手です。
子供の車の保険料、高くなりすぎないための見直しポイントは?
子供が乗る自動車保険が高くなるのは致し方ないことです。しかしながら、高くなる保険料の幅を保険の見直しによって少しでも抑えることができます。
車両保険の見直し
現在車両保険がついている場合、車両保険を見直すことで保険料を抑えることが可能になります。
パターンとしては次の4つがあります(※保険料は①→②→③→④の順に安くなっていきます)。
- ①一般車両+地震・噴火・津波一時金特約
- ②一般車両
- ③エコノミー車両(車対車+A)
- ④車両保険なし
まずご自身の保険証券を見ていただいて、①のパターンの場合には、地震・噴火・津波一時金特約を外すことで保険料を少し下げることが可能です。一般車両保険はついたままになりますので、事故の際の車両保険金は受け取ることができます。地震・噴火・津波一時金は、これら地震や津波などで車両が全損になった場合、最大50万円の一時金が受け取れるというものです。保険料については、車両価格10万円あたり年払いで1,000円になっています。地震や津波、火山の噴火の危険度は運転する方の年齢によって変わるわけではないので、どの年齢条件であっても保険料は同じになっています。車両価格が50万円以上ある方は、これを外すことで年間5,000円節約することができます。
次に②の場合、一般車両保険はすべての事故に対して保険金が支払われます。これを③のエコノミ―車両保険に変えることで保険料はぐっと下がります。エコノミーにすると、自分で電柱に車をこすったなどの自損事故や駐車中の当て逃げについては保険金を受け取ることができません。自損事故での支払いが圧倒的に多いので、この部分の保険料が高いのです。
そして③の場合は、車同士の衝突やいたずら、竜巻・洪水などの自然災害、車両火災などの時に保険金が支払われます。できれば、最低限でもこの補償はつけておきたいところです。というのも、車同士の衝突の場合修理費が高額になりがちですので一時的な出費が大きくなります。そこを保険でカバーできるのは大きなメリットでもあります。しかしながら、車両が古くて事故をしたら買い替えることなどを想定しているのであれば外してしまうのも一つの手かもしれません。車両保険を外すと保険料はさらに下がります。
特約の見直し
皆さんの自動車保険を今一度よく見てください。〇〇特約などといったものが特約欄に書かれていると思いますが、本当に必要な補償ですか?自動車保険は更新の際に、勝手に知らない特約がつけられていたなんてことも無きにしもあらずです。例えば、火災保険に個人賠償責任特約が付いているのに自動車保険にもついているなんていう場合には、補償が重複しています。このように重複している特約は外すべきです。事故が起きたら、二つつけているから倍の保険金を受け取れるかというとそのようなことはないからです。このような場合は外してしまいましょう。
また、人身傷害車外危険担保特約というものもありますが、これは、歩行中に車にはねられた場合に、相手からちゃんとした補償を受けられない場合に人身傷害で補償しましょうというものですが、自動車保険は自動車の運転に係わるものが補償されればいいと割り切ってしまえば外してしまうこともできます。このように、特約がたくさんついている場合は、代理店に連絡をして特約の内容の説明をよく聞き、必要ないものだと判断したら外してしまいましょう。
保険会社の見直し
自動車保険料は、保険会社によってまちまちです。保険会社を乗り換えるだけで保険料が下がるなんてこともあります。
しかし、乗り換えに当たっては注意べき点、下手をすれば損をすることもあるので注意してください。最も不利益になることといえば、等級の進行が遅れてしまうことです。子供が免許を取って乗るタイミングが、保険の満期日だったなんていうことはよほどの偶然の一致でもない限りないでしょう。そのため、期間の途中で切り替えることになるわけですが、期間途中で乗り換えた場合には、切替日から1年間、今までの等級でもう一度契約することになります。すでに契約が20等級(一番上の等級)であればそれ以上等級が進むことはないので気にすることはありませんが、それ以前の途中の等級の場合は、等級の進行が遅れてしまうことに注意してください。
また、保険会社も通販の自動車保険を扱っているところを選べば、保険料を大きく引き下げることも可能です。通販自動車保険は、代理店を介さないため、中間コストを大幅に削り、保険料を安くすることができます。間に代理店が入っていないため、自分の家族のことをよく知ってくれている担当者がいなくなることがデメリットではありますが、事故の際の報告や手続きなどは自分である程度できる自信があるという方は検討してみてはいかがでしょうか。
子供が親の車に乗る場合、保険のかけ方に工夫の余地はある?
子供は車を持たず、親の車に乗るというご家庭も多いはずです。そのような場合は以下の工夫を検討してください。
- 別居の子供であれば年齢条件は35歳以上のままに
- 1日自動車保険の活用
別居の子供であれば年齢条件は35歳以上のままでOK
子供が大学進学や、就職などで県外などに出て一人暮らしを始めているというパターンも多いと思います。お盆や正月に帰省してきたときに乗ることがあるでしょう。この時年齢条件を子供に合わせて設定し直さなければならないと考えがちですが、実は35歳以上のままにしておいて大丈夫です。そもそも自動車保険の年齢条件とは、「同居の親族」の年齢条件であり、同居していない人は基本的に年齢条件が適用されないため補償の対象となります。
ただ「本人・配偶者限定」などで運転者の範囲を限定している場合は、運転者の限定を外しておいてください。運転者の限定は保険期間中、ずっと外している必要はなく、子供が帰省してきて乗る可能性のある期間だけ外すこともできますので、保険料の節約になります。
また、最近では廃止している保険会社も多々ある「家族限定」は別居の未婚の子であれば対象になるので外す必要はありません。別居であっても結婚している子供や、離婚歴のある子どもは家族限定の家族に含まれないため乗る可能性がある場合には、家族限定を外す必要があります。
1日自動車保険の活用も
最近では、数多くの保険会社から1日自動車保険が発売されています。スマホで契約でき、保険料は携帯電話料金と合算で請求できたりするのでとても便利です。同居の子供でも、年に数回しか車に乗ることがないといった場合には、自動車保険の年齢条件を変えるよりも、1日自動車保険に加入する方が保険料としてはずっとお得です。
一般的な保険料水準としては、車両保険なしのタイプだと、1日500円前後、車両保険付きのタイプだと1日1,500円前後が主流です。1日自動車保険であっても、対人・対物は無制限、人身傷害は3,000万円、弁護士費用特約などはついていますので補償面では安心です。しかし、車両保険付きの場合は、免責金額が15万円など高額になっているので、車両保険については注意してください。
余談ですが、この高額な車両保険の免責金額は、保険金詐欺を防ぐ目的で設けられています。
もし、免責なしという1日自動車保険があったとしたら、自損事故などで車を傷つけてしまった場合に、1日自動車保険に加入しその日に自損事故を起こしたことにして請求してしまえば、もともとついている保険の等級に影響なく修理ができてしまうためです。そのため、1日自動車保険の車両保険には高額な免責がついているのです。
保険料だけでなく維持費の節約も合わせて心がける
運転でかさむ出費を抑えるには保険料だけでなく、車の維持費全体を下げることも重要です。
燃費のいい車を選ぶ
最近の若い人はあまりスポーツカータイプの車には興味がないようです。自動車の基本的な機能である、走る停まるがちゃんとできればそれでいいという人も多数います。とはいえ、最近では省燃費車も選択の幅が広がりました。できるだけ燃費のいい車を買うことで、自動車税の負担が下がったり、ガソリン代の節約にもなりますし、ハイブリッドカーであれば保険料の割引があったりするのでお得です。
最低限の交換部品はしっかりと
お金がもったいないからと言って、定期的な交換部品や消耗品をケチっていては後々の出費がたかくなりますので、注意してください。特に注意なのがオイル交換。最近の自動車はノーメンテナンスと言われますが、オイル交換は必要です。オイルは自動車用品店などで会員になれば格安で交換することもできます。オイルは安いものでいいので、5,000km~8,000kmを目安にまめに交換した方が、高価なオイルで長くのるより車にはいいです。オイル交換を怠るとエンジンが焼き付き修理代は数十万円となります。
また、タイヤ交換やローテーションも怠らないようにしてください。タイヤは命を載せている大事な部品です。これが摩耗して運転中にバーストなどをしたら事故のもととなり、事故になってしまえば、こちらの出費も大きなものとなします。近頃では、タイヤも種類が増え、国産でも安いタイヤもあります。残りの溝などはこまめにチェックしタイヤも定期的な交換を心がけましょう。
こういったように、一時の出費をケチると、後々大きな出費が待っています。ベテランドライバ-にとっては当たり前のことですが、免許を取りたての方はこれらにも注意をしてください。
運転になれてない子供だからこそ、補償を厚く組むことで大きな出費を回避できることも
免許を取りたての人は意外と事故をしないといわれます。運転に少し慣れてきたころに気の緩みから事故を起こすことが往々にしてあります。事故を起こした場合、対人、対物賠償、車両の修理代が必要となる可能性がありますが、昨今の自動車の修理代は非常に高額になっています。保険料を下げるために車両保険の補償条件を小さくしていたがために、補償されなかった場合はすべて自腹で直すことになります。年数万円の出費を抑えたがために、一時的に数十万円の出費を余儀なくされることもありえます。そういったことも踏まえ、多少保険料が上がったとしても、補償を充実させておくのも、長い目で見れば出費を抑えることにつながります。これについては、事故をしないと高い保険料を払うことになりますが、事故は自分の不注意だけでなく相手方の不注意でもらい事故的要素のある事故を起こすこそもありえます。一時的に大きな出費が発生するのはきついという人は、逆に補償の充実もお勧めします。
まとめ
- 高い保険料を改善するには、補償の見直しを。通販社に乗り換えることも節約には効果的。
- セカンドカー割引+押し出し新規、中断証明書の活用は車を新しく買ったタイミングに限られる。チャンスがあるなら積極的に活用する
- 子供が別居中なのであれば年齢条件は落とす必要はない。間違えやすい点なので注意(家族限定割引だけは忘れず再設定)。
- 保険料だけでなく車の維持費全体を考え節約を行う。日々のメンテナンスを怠らないことが不慮の大きな出費の予防につながる。
- 運転になれていない子供だからこそある程度の補償は残しておく。事故時の自己負担をなくすことがトータルでみればお得とも考えられる。
このように、子供が自動車免許をとったことで、自動車保険というのは値上がりを余儀なくされてしまいます。今現在の、自動車保険の保険料を抑えるのか、事故時の出費を抑えるようにするのか。どちらに重きを置くかによって選択の幅は広がるのではないでしょうか。
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