結婚すると家族構成やライフスタイルが変化します。自動車保険もそれに合わせた見直しが必要です。
また、姓や住所が変わる場合はその変更手続きも必要になります。
しっかりと手続きを済ませておくことで安心して自動車に乗れますし、無駄のない保険組みは家計の負担を軽くします。結婚は保険見直しのよいきっかけと考えてください。
この記事では、結婚で必要になる自動車保険の手続き、見直しのポイント、そして保険料を安くするテクニックについてお伝えします。
大手損保会社にて、自動車事故後のお客様対応をしていました。主な仕事は、保険金の支払いしたり、契約者様の代わりに相手方と示談をすることです。一年に数百件の事故担当をしたこともありました。事故が起こった時に気を付けるポイントなど、保険会社の目線で詳しく伝えたいと思っています。また損害保険募集人の資格も持っていますので、保険の知識を生かして、保険の意義についても伝えていきたいと思っています。
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目次
結婚で必要になる自動車保険の手続きは?
結婚で必要になる自動車保険の手続きは大まかに以下の4点です。
- ①姓名や住所が変わって必要になる手続き
- ②主な運転者が変わって必要になる手続き
- ③運転者限定・年齢条件が変わって必要になる手続き
- ④使用用途が変わって必要になる手続き
申請は基本電話でOKです。結婚の手続きだけに限らず、自動車保険に変更事項があれば、カスタマーセンターや代理店に連絡することを覚えておいてください。内容によってはネットやEメールでできないものもあります。また時間がかかる場合もあるので、早めに電話するようにしましょう。
姓や住所が変わって必要になる手続き
結婚で姓や住所が変わる方は変更手続きが必要です。所有者などの名義が変わる訳ではありませんので、住所変更と名字変更は同じ手続きと考えて良いでしょう。まずは名前が変更になったことを確認できる書類を用意しましょう。免許証や住民票などが一般的です。その後、保険会社のカスタマーセンターか代理店に連絡をしてみて下さい。
主な運転者(記名被保険者)が変わって必要になる手続き
結婚後に自分の車を主に使用するのが旦那や妻になる場合は「記名被保険者の変更」が必要です。連絡する際は新しい主な運転者の免許証を用意しておきましょう。また、結婚などで名字が変わった場合は、証明できる公的な書類を用意しておきましょう。
新しい記名被保険者がゴールド免許なら割引が適用されます。適用されるようなら保険料節約のチャンスです。
・契約者=お金を払っている人
・記名被保険者=主に車を運転する人
自動車保険ではよく出てくるので覚えておきましょう。
運転者限定・年齢条件が変わって必要になる手続き
結婚後に車を使う人が増えたり減ったりすれば、運転者限定・年齢条件の変更が必要です。一番やっていけないのは、運転者の範囲が増えたのに手続きをしないこと。最悪事故を起こした時に補償されないので必ず変更手続きを済ませておいてください。
変更により保険料が変わることがあるので、クレジットカードと通帳を用意しましょう。保険料が追徴になる、もしくは返金されることがあります。ネット保険の場合はWEB上で完結することもあります。
運転者限定の変更
車を運転する人の範囲に合わせ変更が必要です。変わらない場合は手続きはいりません。
運転者限定は以下のように分類されます。
- 本人型
- 夫婦型
- 家族型
今まで自分しか運転しなかったケースが旦那や妻も運転するようになった場合は「本人型→夫婦型」への変更が必要です。逆に、結婚前は家族(親など)も自分の車を運転していたが、結婚後は旦那だけに減ったなどの場合は「家族型→夫婦型」に変更可能です。範囲が狭くなるぶん保険料も安くなります。
年齢条件の変更
結婚後に車を運転する人の中で最も若い人の年齢に合わせる必要があります。
年齢条件の区分は保険会社によって変わります。以下は一例です(損保ジャパンの場合)。
- 全年齢補償
- 21歳以上補償
- 26歳以上補償
- 35歳以上補償
一番低い人に合わせて年齢条件を適切に設定しましょう。申請に誤りがあると保険適応されない可能性もありますので、正確に設定してください。
使用用途が変わって必要になる手続き
自動車保険には「使用用途」という項目が設けられており、使い方に合わせて設定する必要があります。カスタマーセンターや代理店さんに連絡をして、変更をしましょう。用意しておくのは、保険証書くらいで問題ありません。
使用用途はは以下3つに分類されます。
- 日常・レジャー
- 通勤・通学
- 業務
個人利用の場合は、「通勤・通学」「日常・レジャー」のどちらかですが、月のうち15日以上車で通勤する場合は、通勤使用となります。
例えば今まで通勤に使っていたのに結婚後は買い物程度にしか使わないという場合は「通勤・通学→日常・レジャー」に変更可能です。その分保険料も安くなります。
手続きをスムーズに進めるコツ
連絡の際は以下の3点を用意しておくとスムーズです。
準備しておくもの
- 契約者本人の保険証書
- 変更を証明できる公的な書類
- 通帳、クレジットカード
契約者本人が連絡をすると、個人情報の観点からもスムーズです。さらに保険証書や変更が証明できる公的な書類などを手元に用意しておくと安心です。変更内容によっては、保険料の変更も考えられます。クレジットカードや通帳の用意も忘れないようにしましょう。
結婚で自動車保険を安く抑えるテクニック
自動車保険において家族構成やライフスタイルの変化は、様々な節約テクニックを使えるチャンスです。特に結婚はそのチャンスになるので、積極的に見直しを行いましょう。
1台所有の場合
結婚前に親の等級を引き継ぐ
親の等級、もしくは実家で使っていた等級をそのまま引き継ぐというイメージです。等級だけでなく、車本体を譲渡してもらうケースも多いです。
ポイントは必ず別居前に行うこと。等級引継ぎは「同居の親族」に限られますので、名字が変わってからや、別居してしまうと不可となります。必ず、結婚前且つ別居前に手続きをしましょう。
中断している親族の等級を引き継ぐ
親などに中断している自動車保険はありませんか?自動車保険の契約は、所定の手続きをとれば中断しておくことができます。中断した保険の等級はそのまま保存され、再開する時は当時の等級のまま再開できます。そしてこの中断された保険(等級)は同居の親族の範囲であれば、譲渡可能です。同じ建物の中で行き来できる場合は同居とみなされるので、祖父母や兄弟でも構いません。
ただ、中断には制限期間があり、10年ほどが目安です(保険会社により若干の差異あり)。また、中断証明書を発行していない場合は、譲渡不可となります。同居の親族に確認してみましょう。
夫婦の高いほうの等級を譲ってもらう
夫婦の同居がスタートすると、等級を譲渡できるようになります。これを応用して、どちらかの車を廃車する場合、高い方の等級をもう一方に譲ると大変お得です。
ただ、譲ってもらう方の等級が、デメリット等級(1から5等級)の場合は譲渡不可となります。デメリット等級の人は事故有係数の可能性が高いので、保険会社から見ても事故のリスクが高まるからです。デメリット等級で譲渡きない場合は、デメリット等級でない方の契約をそのまま使いましょう。
この時、運転者や年齢条件の変更、廃車にした車の中断証明書を発行する手続きもお忘れなく。
ゴールド免許の人を記名被保険者にする
記名被保険者がゴールド免許だと保険が割引になります。優良運転者であるため、事故のリスクが少ないと判断されるためです。
保険会社にもよりますが、運転者の制限を設けなくとも、10%以上の割引が受けられることもあります。
車を使う頻度がどちらも同じくらいなのであれば記名被保険者はゴールド免許の人にした方がお得です。
ただし、虚偽の申請はNGです。例えば記名被保険者以外の人が毎日通勤に使っているとなると悪質行為とみなされることもあります。あくまでも記名被保険者は実態に則して申請してください。
2台以上所有の場合
2台目の新規取得はセカンドカー割引を使う
セカンドカー割引とは、2台目の車を新規購入したときに通常6等級のところを7等級からスタートできる制度です。2台目の保険会社は1台目と別でもOKです。
かなり省略した説明になりますが、ざっくりした条件は以下の通りです。
- 1台目の等級が11等級以上
- 1台目と2台目の所有者が「個人」
- 1台目と2台目の記名被保険者が「個人」
- 1台目と2台目が自家用8種車(自家用8種はこちら)
- 2台目の所有者が1台目と同じ人・配偶者・同居の親族または1台目の記名被保険者
ミニフリート保険の活用
2台目以降の車を所有している時に、ミニフリート保険という複数台加入の保険に入ることもできます。義理の親と同居する場合などは、車の台数が増えるので検討しましょう。
この場合、1台目が11等級以上であること、2台目の記名被保険者が配偶者や同居の親族の名義であることなど条件があります。またミニフリート保険が2台からの保険会社と、3台からの保険会社があります。一度見積もりをしてみましょう。
結婚で見直すべき自動車保険の内容は?
結婚で自動車保険を見直さないと、無駄な保険料は払いつづけていたなんてケースもあります。以下3点は必ずチェックするようにしてください。
- 補償や特約に重複はないか
- 無駄な範囲設定をしていないか
- 実家の自動車保険が無駄になっていないか
補償や特約に重複がないか
自動車保険には1つの保険で家族全体をカバーできるものがあります。それは家族の中で誰か一人つけておけばOKです。
人身傷害特約
人身傷害保険の一般タイプの場合、契約の車に搭乗中のけがはもちろん、歩行中や他の車に乗っている時のケガ時にも適用されます。2台目以降にも一般タイプの特約を付けると、歩行中や他の自動車の事故が重複してしまいます。この場合、2台目以降に、搭乗中の制限をかけると保険料が安くなります。
弁護士費用特約
弁護士費用特約は同居の家族にまで範囲が及びます。なので、家族の中で誰か一人がつけていればOKです。稀に火災保険などについているケースもありますので、そちらも確認したほうがいいでしょう。
ファミリーバイク特約
原動機付自転車(125cc以下の二輪車、50cc以下の三輪以上の車)を運転中に事故を起こしてしまった場合に補償されるものです。複数台加入の場合、いずれかの1台目の車に付帯してすることで補償されます。
個人賠償責任危険補償特約
個人賠償責任危険特約は日常生活中に相手にケガをさせてしまった場合なので使える特約です。これも一つの保険で家族全員をカバーできるるので一家にひとつでOKです。
運転者の範囲を無駄に設定してないか
家族が運転するのか、それとも夫婦しか運転しないのか明確にしましょう。全ての人を補償しようとするとリスクが上がるため、保険料も割高になってしまいます。
家族限定特約は、記名被保険者の配偶者や、同居の親族、別居の未婚の子供も保証されます。身内だけが運転するのであれば、運転者の補償範囲を小さくすることで、保険料も安くすることができます。
実家の自動車保険が無駄になっていないか
実家の保険の見直しはついつい忘れがちですが、家族構成が変わるたびに、チェックするようにしましょう。
家族限定特約・年齢条件の見直し
結婚したことで子供が実家の車を運転しない場合、家族限定特約を外しても良いでしょう。
別居の既婚の子供は、家族という定義から外れるからです。本人配偶者限定を付帯し、夫婦の年齢条件を満たしていたら問題ありません。ただし、別居の既婚の子供も実家の車を運転する場合は、子供の年齢も加味して年齢制限をしましょう。
結婚で自動車保険を切り替えるのはお得か?
結婚のタイミングで安い自動車保険に切り替えたいと考えている方も多いと思います。実際、名義変更など様々な手続きをするならいっそ新規で契約するのもアリです。
例えば、実家では家族一緒の保険を使っていた場合。付き合いなどの理由で一緒の保険を使っていたかもしれませんが、もっと安い保険があるのであればこのタイミングで乗り換えたほうがいいでしょう。特に代理店型を使っていた場合はダイレクト型への乗り換えによってかなり保険料は抑えられます。
また、補償内容やライフスタイルが変われば安い保険会社はどこか変わってきます。結婚は保険を見直すいい機会ですので、一度は見積もりぐらいをとっておきましょう。今の保険料が高いのか安いのかぐらいはわかります。
夫婦で自動車保険をまとめなくていいのか?
自動車保険はひとつの保険にまとめることでノンフリート多数割引が適用されます。2台の場合は3%の割引が適用されるため、まとめないよりはまとめたほうがお得です。また代理店で加入している場合はひとりのスタッフに夫婦の補償内容をまとめて相談できますから、補償の重複などがないかチェックしてもらうこともできます。保険はできる限りまとめたほうがお得と言えるでしょう。
ただし、通販社から代理店にわざわざ乗り換えるのは、保険料の観点からいえば少し考えたほうがいいでしょう。ノンフリート多数割があったとしても、通販型自動車保険の安さはそれを上回ります。また走行距離に応じて保険料が安くなるのは通販社のみです。車の使い方や保険料など、総合的にみて乗り換えは慎重に検討したほうがいいかもしれません。
補償内容が変わったら必ず保険会社の比較を!
このように、結婚をして家族が増えると、補償内容に変更が生じます。「補償内容が変わる=保険料の割引のチャンス」です。保険会社によって料金プランが様々ですので、補償内容によってお得な保険会社も変わります。まずは、複数の保険会社で比較をすることが自動車保険をお得にするコツです。
保険料の比較は一括見積もりが便利です。無料で行える上、電話営業などもないので安心です。結婚するタイミングを機に、保険全体の見直しを含め見積もりをしておきましょう。保険料を安くする絶好のチャンスです。
まとめ
- 結婚をして家族が増えると、自動車保険の保険契約者、等級、補償の変更など、見直しが必要
- 変更があれば、早急に保険会社のカスタマーセンターや保険代理店に連絡
- 夫婦が同じ保険会社で加入する場合は、セカンドカー割引や、ミニフリート保険を活用しよう
- 夫婦が同じ保険会社で加入する場合は、特約の重複に注意
- 変更手続き終われば、保険会社見直しをすると、安くなる可能性も。
結婚すると大事な家族が増えます。今までの保険通りの設定にしておくと、もしもの時に補償が効かなかったなのなりかねません。
また、自動車保険の中にはひとつの保険で家族全員をカバーできるものもありますから、重複に注意し節約に努めることも大切です。
安心・安全なカーライフのため、保険見直しをぜひ行ってくださいね。
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