自動車保険の節約テクニック

【あまり乗らない車の保険料を抑える方法】プロが勧める合理的なかけ方

車は持っているけど、意外と乗る機会が少ない。特に都市部では交通機関が発達しているため「通勤は電車、車に乗るのは土日だけ」なんて方も多いです。

彼らに共通するのは「ほとんど乗らない車なのに高い自動車保険をかけておく必要があるのか?」ということ。保険を外すまではいかなくても、できるだけ安い保険があれば嬉しいという方がほとんどなのではないでしょうか。

結論から申し上げると、車に乗る頻度が少なくても自動車保険にはしっかりと加入する必要があります。そうでなければ、もし事故を起こした際に大きな賠償責任がのしかかるかもしれません。
もし使用頻度に対して保険料が高いと感じる場合は、補償内容を必要最低限に絞ること、もしくはネット型自動車保険などを使うのもひとつの手でしょう。代理店型の自動車保険と比べ、保険料を節約できる可能性が高いです。

今回は、あまり自動車に乗らない方の自動車保険はどのようにすればいいかお話をしたいと思います。

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あまり車に乗らない場合でも自動車保険は必要?

自動車保険は決して安いものではありません。最低でも年間数万円、場合によっては10万円以上の保険料を支払っている方もいらっしゃいます。

よく使う車になら納得いくかもしれませんが、あまり乗らない車にこれだけの費用を支払い続けるのはバカバカしく感じることもあるはず。しかし保険を外してしまうことは当然ながらお勧めできません。

自動車保険は自分だけのためのものではないことを自覚するべき

車に乗るなら保険に入るのは義務のようなものです。

運転する以上、交通事故はつきもの。どんなに注意をしていても避けられないこともあります。加害者になることもあれば、被害者になることもあるでしょう。お互いが動いている限りは、基本的に過失が発生しますので、加害者側、被害者側、どちらの立場になっても相手に自分の過失割合分を賠償しなくてはならないのです。自動車保険は自分だけでなく、相手の損害を補填する目的もあることを忘れてはなりません。

あまり乗らない自動車の保険、安くする方法は?

では、あまり乗らない車の保険はどうすべきか。これは「安くかけ続ける」ことが合理的な手段と言えるでしょう。方法はいたってシンプル。「必要最低限の保険」にすることが節約につながります。

補償を最低限に絞る

自動車保険には基本補償というものがあります。対人・対物補償・人身傷害・搭乗者傷害・車両保険。保険会社によってはここに特約がつく場合もありますが、上にあげたものはどこで加入しても共通です。

必要最低限の現実的なラインとしては概ね以下の通りでしょうか。

対人・対物 無制限
人身傷害 3,000万円
搭乗者傷害 なし
車両保険 なし
特約 弁護士費用特約、運転者の範囲を制限する特約(本人限定など)

具体的に言えば「車両保険」と「搭乗者傷害保険」は外しています。

特に車両保険はつけるかつけないかで倍近く保険料が変わるため、外すことで大きな保険料カットになります。車がないと生活できないというレベルであれば話は別ですが、そうでなければ必ず必要というわけではありません。もし付帯したいのであれば、エコノミー型の車両保険などを選択肢に入れるといいでしょう。

搭乗者傷害は自分を守る保険ですが、人身傷害がついていれば必ず必要というわけではありません。簡単に言うと人身傷害が損害の全額補償をしてくれる変わりに後払いなのであれば、搭乗者傷害は入通院にもらえる一時金のようなもの。最悪人身傷害保険にさえ加入していれば損害額をカバーすることはできます。

【人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い】必要性が高いのはどちらなのか?人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いについて必要性が高いのはどちらなのかお伝えします。支払われる保険金やタイミングについて、またどちらを選ぶべきか、搭乗者傷害保険の必要性、人身傷害の補償の重複、よくある勘違いなどがわかります。...

対物を無制限以外にするのは危険

たまに対物を500万円など低い金額にしようとする人もいますが、最近の自動車は高額車が多いので玉突き事故などを起こすとあっという間に超えてしまいます。対物補償は500万円を無制限にしたところで数百円程度しか変わりません。たかが数百円をケチって高額な賠償責任を負っては話にならないので必ず「無制限」が基本です。

乗る人が決まっているなら運転者を限定する

車を運転する人が決まっていて、その人以外は運転しないということであれば、運転者限定特約を付けると安くなります。「本人・配偶者限定」「家族限定」などがあり、運転者の範囲を狭めていくほど保険料の削減効果は大きくなります。

補償内容をコロコロ変えるのはオススメできない

普段はものすごく小さい補償内容にしておいて、長距離運転するときだけ補償を大きく変更して、終わったらまたもとに戻すということを行う人がいますが、個人的にはあまりお勧めできません。

内容をコロコロ変えると自分がいまどんな補償内容の自動車保険に加入しているのか分かりづらくなります。補償が大きいままで間違えて放置しておくのはまだしも、小さな補償になってることを忘れて事故をおこしてしまったら目も当てられません。変更の際にその都度保険料が追加や返戻になりますが、何度もやっているとずっと同じ補償のままとそんなに保険料は変わらないので、そもそも労力のわりにリターンがあまりないです。

保険料が割安になる「通販型自動車保険」とは?

あまり乗らない車に高い保険料を支払いたくない、そんな方は保険料が割安な「通販型自動車保険」を選択肢にいれてみるといいかもしれません。

ソニー損保・イーデザイン損保・チューリッヒ・アクサダイレクト。これらのCMを見たことは一度はあるのではないでしょうか。これらはすべて通販型自動車保険と呼ばれるもので、「割安な保険料」がいちばんの特徴です。

通販型自動車保険は、大手損保が採用している「代理店制度」をとっていません。また、事故対応拠点も都市部に集約されていることから、基本的には電話でのやりとりとなります。従来の保険であればかかるはずの代理店手数料や人件費といったコストを大幅にカットしているぶん、保険料の低価格化に成功しています。

勘違いされている方も多いですが、保険料が安いからといって「事故対応が悪い」「保険金がおりにくい」ということはありません。大手損保だろうと通販社だろうと事故対応の流れは基本的に同じです。大手損保のほうが地方にも事故対応拠点がありますから、担当者と面談しやすいというメリットはありますが、サービスとして致命的な欠陥があるわけではないのでご安心ください。

注意点があるとすれば、この通販型自動車保険、ディーラーでは取り扱っていません。車屋で保険をかけていた人であれば試算さえとったことがないと思われます。基本的にはネットで見積もりをとる形になりますので、これまで試算したことがなければ一度見積もりをとってみるといいでしょう。その際もできるだけ複数社の見積もりをとっておいたほうがいいです。保険会社によって保険料はバラバラなので、できるだけ多くの会社を比較検討しておきましょう。

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走行距離が少ない人はさらにお得に

通販型自動車保険には、年間走行距離に応じて保険料を変えられる自動車保険があります。

走行距離区分を設定できる損保
  • ソニー損保
  • SBI損保
  • アクサダイレクト
  • イーデザイン損保
  • チューリッヒ
  • セゾン自動車火災(おとなの自動車保険)
  • 三井ダイレクト
  • そんぽ24

大手損保は走行距離制度を設けていません。どれだけ走る距離が少なかったとしても、保険料は同じです。そういう意味でも通販型自動車保険はあまり車に乗らない人にとって合理的に使える保険です。本当に車に乗る機会が少なく、年間走行距離も非常に少ない方であれば、年間走行距離が保険料に影響する通販型自動車保険を選択することで大幅に保険料を下げられますので、ぜひ選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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自動車保険を乗らない間は解約してもいいのか?


車に乗らない間の保険を外すことは節約の面では正しいように感じますが、全くお勧めできません。

自動車保険はいつでも自由に解約できるようになっているので、使わない期間の解約自体はできます。その時点から保険料が発生することもありません。しかし、また乗るとなったら再度保険加入手続きが必要ですし、少しでも再加入し忘れのリスクがある以上オススメはできません。もし無保険状態で事故を起こしてしまったら…これ以上は言う必要もないでしょう。高額な賠償責任を背負う可能性さえ出てきます。

7等級以上の等級は解約から1週間で消える

自動車保険は1等級から20等級までの等級がありますが、7等級以上の等級は解約から1週間以内に再度自動車保険を契約しなければ飛んでしまいます。せっかくの20等級で63%の割引がついている自動車保険であっても1週間を超えてしまえば、新たに6等級から新規契約となります。

では、1週間以上乗らない場合は中断証明書を取ればいいのでは?と思う方もいるかと思いますが、残念ながらそれもできません。中断証明書を取得するためには条件があり、保険の対象となっている自動車がご自身の手元から離れなければなりません。例えば、下取りに出したとか、自動車買取店に売ったとか、友人に売ったなどです。手元に車があって、あまり乗らないから解約して中断証明書を発行ということはできないのです。

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中断証明書とは?

中断証明書とは、自動車保険を解約した場合に10年間割引を寝かせておくことのできるものです。自動車保険を10年以内に再開する場合、以前につけていた割引率で自動車保険を再開することができます。

【自動車保険の休止】中断証明書を使って乗らない間の等級を引き継ぐ方法自動車保険を休止する方法について、解約しないほうがお得というのは本当かお伝えします。休止すれば等級を最大10年間保存できます。休止手続きの方法と流れ、必要となる書類、休止の条件、手続きの期限について、また払戻金、中断証明書を紛失した場合の対処法がわかります。...

5等級以下の人は13カ月間、割増データが残る

逆に1等級から5等級までの割り増しがかかっている方が解約をした場合、割増データは13カ月間残ります。またこのデータは保険会社間で共有されていますので、保険会社を乗り換えたとしてもその割増はついてきますので注意してください。

【結論】自動車に乗る以上、頻度は少なくとも自動車保険はつけておくべき

自動車を運転するにあたってあまり意識をすることはないかもしれませんが、自動車の運転をするということに関しては様々な法律により事故時の責任が課せられています。対人賠償の強制保険である自賠責保険の根拠法である自動車損害賠償保障法の第3条には、身体損害については加害者側(自分)に故意または過失がないことを、加害者側が立証しない限りは責任が発生するという「無過失責任」の考え方がとられています。被害者側が加害者にこれだけの過失がありますよと立証しなくてもいいわけです。これは被害者を救済するためこのような形になっています。このように、自動車の運転には極めて重い責任がのしかかってきているということを考えると、自動車に乗る頻度は少ないとはいっても自動車保険はつけておくべきです。先ほど紹介した根拠法は強制保険の自賠法ですが、それを超える賠償が発生したり、対物賠償が発生することもありますので任意保険には絶対加入しましょう。

第3条(自動車損害賠償責任)
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。
《参考条文》自動車損害賠償保障法

まとめ

まとめ
  • 自動車にあまり乗らなくても自動車保険はつけておく
  • その場合でも必要最低限、対人・対物は無制限でつけておくべき
  • 運転者の範囲を見直せば安くなる
  • 走行距離が少ない人は通販型も検討すべき
  • 乗らない期間の解約は基本的にできない
  • 法律で自動車の運転は非常に重い責任が科されていることを自覚しよう

自動車は確かに便利ではありますが、一歩間違えば人に対して凶器になりうるものです。そのための自動車保険なのですが、あまり乗らないからといって自動車保険をケチって、事故ってしまいその後の人生を棒に振ってしまうことだってあることです。実際にネットで検索すると出てきますが、自動車保険に入っていなかったために高額の賠償で人生が変わってしまった人も多数います。
今は言っている自動車保険が高い!と思うのでしたら、まずは試算からしてみて保険会社の乗り換えも視野に入れつつ自動車保険は継続しておいてください。
自動車保険に入っておくというのは、自動車を運転する者にとっての最低限のマナーであると私は思います。

ABOUT ME
RYOMA
大学卒業後、大手損害保険会社に総合職として就職。在職中は営業担当。損害保険会社を退社後、生損保代理店を経営。数多くの自動車保険、事故を取扱う。損害保険全般に精通した知識を活かし、保険の上手な使い方をお伝えします。

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