高級車の代名詞であるメルセデス・ベンツ。AクラスやBクラスといったコンパクトでカジュアルなシリーズも販売していますが、日本で高級車といえば最初に名前の挙がるプレミアムブランドです。
その中でもCクラスは、1810mmという日本の道路事情でも扱いやすいコンパクトなボディに上級シリーズであるEクラスやSクラスと同等の装備を取り入れ、「小さな高級車」としてメルセデス・ベンツの屋台骨を支える大人気シリーズとなっています。
現在は違う車に乗っていても、「いつかはCクラスに乗ってみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。ただその一方、高級車ゆえに「維持費がすごく高いのではないか」と心配する方も多いです。特に自動車保険については、「保険料が高いのではないか」「車両保険に入れないのではないか」という不安がつきまといます。
そこで今回はメルセデス・ベンツCクラスの自動車保険料について詳しく解説。グレード別の保険料の目安や「車両保険は付けられるのか」といった疑問にお答えいたします。
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目次
コンパクトさと安全性能を両立したベンツCクラス
狭い駐車場でも扱いやすいコンパクトさ
日本では立体駐車場のサイズなどからクルマの全幅が1850mmを超えると、日常的に扱いにくくなってしまいます。その点Cクラスはコンパクトなボディをキープ。ライバルであるBMW 3シリーズ(1,825mm)、Audi A4(1,840mm)よりもスリムな1,810mmに全幅を抑え、日常的な使い勝手の良さを実現しています。
Sクラス同等の安全性能
Cクラスの良さはコンパクトさだけでなく、最上級のSクラスと同等の先進装備、安全装備を与えられていることも挙げられます。
前方約250m、側方約40m、後方約80mを検知するレーダー、約90mの3D視を含む約500m前方をカバーするスレテオカメラといった最先端のセンサーシステムを搭載。そのセンサーを「目と頭脳」として、歩行者や他のクルマとの衝突の危険を察知すると自動緊急ブレーキが作動する「アクティブブレーキアシスト」、衝突を回避するためにステアリングの動きをアシストする「緊急回避補助システム」などを装備しています。
Cクラスグレード別保険料
今回はベンツCクラスの中でも代表的なC180の保険料試算を年齢・等級別にとってみました。
保険会社 | 車両保険あり(一般型) | 車両保険あり(エコノミー型) | 車両保険なし |
---|---|---|---|
東京海上日動 | 598,600円 | 369,030円 | 147,410円 |
損保ジャパン | 454,030円 | 315,570円 | 114,360円 |
三井住友 | ネット見積もり不可 | ネット見積もり不可 | 144,580円 |
あいおいニッセイ同和 | 595,780円 | 381,380円 | 162,200円 |
ソニー損保 | ネット見積もり不可 | ネット見積もり不可 | 170,670円 |
SBI損保 | 470,160円 | 283,590円 | 98,710円 |
アクサダイレクト | 711,310 円 | 419,200 円 | 169,350 円 |
イーデザイン損保 | 763,810円 | 450,670円 | 182,390円 |
セゾン自動車火災(おとなの自動車保険) | ネット見積もり不可 | ネット見積もり不可 | ネット見積もり不可 |
チューリッヒ | ネット見積もり不可 | ネット見積もり不可 | 262,710円 |
三井ダイレクト | 504,520円 | 293,280円 | 117,870円 |
保険会社 | 車両保険あり(一般型) | 車両保険あり(エコノミー型) | 車両保険なし |
---|---|---|---|
東京海上日動 | 196,760円 | 122,620円 | 51,050円 |
損保ジャパン | 218,850円 | 152,830円 | 56,900円 |
三井住友 | 206,850円 | 131,520円 | 58,420円 |
あいおいニッセイ同和 | 204,080円 | 131,580円 | 57,470円 |
ソニー損保 | 170,920円 | 102,820円 | 40,190円 |
SBI損保 | 138,230円 | 82,510円 | 31,440円 |
アクサダイレクト | 144,370 円 | 85,410 円 | 37,510 円 |
イーデザイン損保 | 166,450円 | 100,440円 | 43,890円 |
セゾン自動車火災(おとなの自動車保険) | 259,440円 | 160,230円 | 67,680円 |
チューリッヒ | 177,610円 | 97,740円 | 38,900円 |
三井ダイレクト | 167,180円 | 93,190円 | 36,680円 |
保険会社 | 車両保険あり(一般型) | 車両保険あり(エコノミー型) | 車両保険なし |
---|---|---|---|
東京海上日動 | 133,640円 | 84,020円 | 36,110円 |
損保ジャパン | 136,650円 | 96,210円 | 37,450円 |
三井住友 | 127,000円 | 82,120円 | 38,570円 |
あいおいニッセイ同和 | 124,940円 | 81,230円 | 36,560円 |
ソニー損保 | 95,630円 | 57,630円 | 22,680円 |
SBI損保 | 81,040円 | 48,830円 | 19,300円 |
アクサダイレクト | 67,660 円 | 42,830 円 | 21,000 円 |
イーデザイン損保 | 79,290円 | 49,290円 | 23,590円 |
セゾン自動車火災(おとなの自動車保険) | 86,860円 | 55,540円 | 26,320円 |
チューリッヒ | 103,040円 | 56,170円 | 25,130円 |
三井ダイレクト | 95,130円 | 52,380円 | 23,820円 |
保険会社 | 車両保険あり(一般型) | 車両保険あり(エコノミー型) | 車両保険なし |
---|---|---|---|
東京海上日動 | 90,190円 | 57,050円 | 25,060円 |
損保ジャパン | 95,560円 | 67,440円 | 26,570円 |
三井住友 | 89,480円 | 57,970円 | 27,390円 |
あいおいニッセイ同和 | 88,930円 | 58,260円 | 26,900円 |
ソニー損保 | 71,960円 | 43,270円 | 16,880円 |
SBI損保 | 59,900円 | 36,060円 | 14,210円 |
アクサダイレクト | 50,340 円 | 32,740 円 | 17,030 円 |
イーデザイン損保 | 61,350円 | 38,700円 | 19,290円 |
セゾン自動車火災(おとなの自動車保険) | 57,850円 | 37,420円 | 18,370円 |
チューリッヒ | 83,960円 | 44,840円 | 24,370円 |
三井ダイレクト | 68,760円 | 39,470円 | 16,150円 |
高級車特有の悩み、「車両保険を受け付けてもらえない」はベンツCクラスにも当てはまるか?
車両本体価格の高い、いわゆる高級車の場合、「保険会社から車両保険を断られた」という話を聞くことがあります。Cクラスの場合はどうなのでしょうか。
ノーマルのCクラス(AMGではない)であれば車両保険は全く問題なし
AMGではない、ノーマルのCクラスであれば、車両保険の付加を断られることはありません。
AMGとはメルセデス・ベンツの高級スポーツグレードです。元々はメルセデスのレース用エンジンを開発するチューナーでしたが、現在ではメルセデスと一体となり、一台一台エンジンをハンドメイドするなど、「究極のメルセデス・ベンツ」を生産しています。
車両保険を断られる可能性があるのは車両料率クラス9と、車両本体価格1,000万円以上
自動車保険では、「対人賠償」「対物賠償」「傷害」「車両保険」の4項目について、車の型式ごとに1~9の9段階にクラス分けをしています(1が一番保険料が安く、9が一番保険料が高い)。これを「型式別料率クラス」といいます。
過去の事故データなどから「保険金の支払い実績が少ない」車を1、逆に「保険金の支払い実績が多い(または金額が大きい)」車を8や9とするわけです。
ちなみに車両保険を断られる可能性があるのは、この車両料率クラスが9の車、または車両本体価格が1,000万円を超える車の場合となります。
AMG以外は車両料率クラス8
AMGを除くCクラスの車両料率クラスは「8」です。そのため車両料率クラスを理由として車両保険を断られることはありません。
AMG以外は1,000万円以下
またAMGを除くCクラスで車両本体価格が1,000万円を超えるものはありません。
そのため車両本体価格を理由として車両保険をことわられることはありません。
つまり、一般的なCクラスであれば、車両保険を断られることはないのです。
AMGでも車両保険を断られることはあまりない
実は私自身、現行型のAMG C43 ステーションワゴンに乗っていますが、某ダイレクト系保険会社で車両保険を断られることはありませんでした(ただし保険料はかなり高くなります)。
保険会社が車両保険を断る理由
保険会社が車両保険を断る主な理由は以下の2つです。
- 保険金支払い額が高額になるため
- いたずらや盗難に遭いやすいため
保険金の支払額が高額になってしまうから
一番の理由は保険会社が支払う保険金があまりに高額になってしまうからというものです。
メルセデス・ベンツに代表される高級車の場合、事故を起こして修理が必要となると、部品代も含めかなりの額となります。
また仮に「全損」扱いとなれば、あらかじめ決められた車両保険金額を全額支払わなければなりません。いずれにしても保険会社としてはかなりの支出を迫られることになります。
そのため高額な車の場合、車両保険の契約を断るケースがあるのです。
「いたずら」や「盗難」に合いやすいから
高級車は一般の車に比べ、いたずらや盗難に遭いやすい傾向にあります。
いたずらや盗難は車両保険が一般型でもエコノミー型でも補償の範囲に含まれますから、保険会社としては支出が増えてしまいます。
そのため「高級車の車両保険はお受けできません」となるわけです。
Cクラスで自動車保険に加入する際の注意点
Cクラスで自動車保険に加入するときの注意点は以下の2点が挙げられるでしょう。
- 高額な修理費を見越し車両保険には加入しておくべき点
- 車両新価特約が高くなってしまう点
車両保険は加入するべき
それまで国産車に乗っていた方からすると、メルセデス・ベンツCクラスの保険料は「高く」感じます。
そのため「対人・対物は絶対なければ困るけど、車両保険はとりあえず止めておくか」と、車両保険に加入しない方がいます。
しかし輸入車、とりわけメルセデス・ベンツのような高級車になると、事故を起こしたときの修理代金が段違いに高くなります。工賃はそうでもないのですが、とにかく部品代が高いのです。
私はドアミラーを擦ってしまったので交換してもらおうと見積もりを取ったら、部品代だけで10万を超えていて驚いたことがあります。大きめの修理の場合、40~50万円になることも珍しくありません。
そのため車両保険に加入しておくことを強くおすすめします。
新古車に新車特約(車両新価特約)を付けるときは注意
新車特約(車両新価特約)とは、事故で車が全損や半損(保険金額の50%を超えた場合など)になった場合、「同じ新車を購入できるだけの保険金」を支払ってもらえるという特約です。
通常車は登録した瞬間に中古車となるため、500万円の車でも450万円くらいの価値になります。つまりその時点で全損になっても、450万円しか保険金を受取ることができないわけです。
しかしその場合、再度500万円の新車を購入するためには、「自費」で50万円を支払わなければなりません。
そこをカバーするのが新車特約(車両新価特約)です。
ただこの新車特約、新古車に付けるときは注意が必要です。新古車とはディーラーの試乗車など走行2,000km程度の車を中古車として売り出すもの。車の状態は新車とほとんど変わらないのにもかかわらず、購入価格は大幅に安くなるという「お得」な車です。
メルセデス・ベンツなどの高級車の場合、新古車になるだけで百万円以上も購入価格が安くなることがあります。そしてこの新古車にも新車特約を付けることができのですが、いかんせん「保険料がぐっと高く」なってしまうのです。
百万円以上安く購入した新古車ですが、新車特約が適用されれば「新車を購入できる金額」が支払われます。つまり保険料としては新車と同等の金額になってしまうわけです。
車を安く購入できたので保険も安いと思っていると、思わぬ保険料の高さに驚いてしまうので、注意が必要です。
Cクラスの保険料を抑えたい場合は「ダイレクト系」にするか車両保険を「エコノミー型」にする
結論から言いますと、AMGを含むメルセデス・ベンツのCクラスに車両保険をつけること自体はほぼ問題ありません。しかし車両本体価格が高いため、車両保険をつけるとどうしても保険料は高くなってしまいます。
そこで、以下2点の対策をおすすめします。
ダイレクト型自動車保険に変えてみる
ダイレクト型自動車保険とは、保険会社とユーザーが直接(=ダイレクトに)契約するタイプの自動車保険です。一般的な自動車保険は「代理店型」と呼ばれ、保険会社とユーザーの間に保険代理店(専業代理店、自動車ディーラーなど)が入ります。代理店型は契約手続きなどを全て代わりに行ってもらえるというメリットがありますが、代理店の手数料が発生するため、「保険料が高く」なります。
一方ダイレクト型自動車保険では間に代理店を介在させないため、「保険料が割安」になります。ただしダイレクト型はディーラーなどでは取り扱いがなく、ネットなどで検索し、自分で加入することが基本です。といってもネットショッピング+αくらいの簡単さですから、興味のある方はネットで気軽に見積もりを取ってみることをおすすめします。
車両保険をエコノミー型に変えてみる
車両保険には「一般型」と「エコノミー型」があります。エコノミー型は「限定タイプ」とも呼ばれ、一般型よりも補償の範囲を限定し、その分保険料を安くしたものになっています。
一般型とエコノミー型の補償範囲の違い
エコノミー型 | 一般型 | |
---|---|---|
他車との衝突・接触 | ◎ | ◎ |
飛来中または落下中の他物との衝突 | ◎ | ◎ |
盗難 | ◎ | ◎ |
落書き・いたずら | ◎ | ◎ |
火災・爆発 | ◎ | ◎ |
台風・竜巻・洪水・高潮 | ◎ | ◎ |
当て逃げ | × | ◎ |
単独事故 | × | ◎ |
転覆・墜落 | × | ◎ |
自転車との接触 | × | ◎ |
地震 | × | × |
噴火 | × | × |
津波 | × | × |